【なないろキッズ】 #3 自閉スペクトラム症

今回からしばらくは、「発達障がい」に含まれる診断名のそれぞれの特徴についてお話していきます。まずは「自閉スペクトラム症」から。
この用語は最近使われるようになったもので、以前、広汎性発達障害、自閉症スペクトラム障害、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群などと呼ばれていた診断名の多くは現在これに含まれています。
共通する大きな特徴は、(1)対人面、コミュニケーション面の独特さ(2)興味が限局して、パターン的な行動・思考がありこだわりが強い|です。スペクトラムとは英語で連続体という意味で、この2大特徴がさまざまな現れ方をしています。
また、感覚の偏りや注意力の問題を持っている人も多いです。知能面では、東大に楽々入るような非常に頭のいい人もいれば、知的障害を伴う人までさまざまです。子どもの時は、他児に興味を示すことが少なかったり遅かったりします。マイペースで、興味のないことを強制されることを嫌う子が多いです。
言葉の発達はゆっくりな子もいます。先の見通しが持ちにくく、急な変更や、想定外の出来事に臨機応変に対処するのが苦手、思い通りにならなくてかんしゃくを起こすといったこともあります。
発達障がいというと、保育園や学校で集団行動から外れているというイメージが定着しつつありますが、そういうタイプの子もいれば、むしろ怒られることが怖くて無理にでも合わせてしまい、ひたすらストレスをためているタイプの子もいます。
付き合っていくとユニークな発想・着眼点を持っていて、裏表なく正直で真面目、他者の言動に左右されない強さを持つ魅力的な子ばかりです。でも、たくさんの人が決まったやり方で生活をしなければいけない学校などでは、苦労をためることが多いのです。