【なないろキッズ】 #4 好奇心旺盛な「ADHD」

今回は注意欠如多動症(以下ADHD)についてお話しします。
ADHDは「多動」「不注意」「衝動性」の特徴を持つ発達障がいの一つです。「多動」はよく動き回る、絶えずうろうろして落ち着きがない、おしゃべり、じっとしていられないといったこと、「不注意」は集中力が続かない、飽きっぽい、忘れ物が多い、片付けが苦手といったこと、「衝動性」は思い付きですぐに行動してしまう、見たものにすぐに触ってしまう、順番が待てない…といったことが挙げられます。
こうした行動の特徴は、程度問題で誰にでもありうることです。ですからADHDの特徴を読むと、「自分も当てはまる」という人はたくさんいます。
ADHDという診断名がつくのは、生来から同年齢に比べて明らかにこうした特徴が突出しており、学校でも家庭でもというように複数の場面で特徴がみられ、それが生活に支障をきたすレベルである場合です。
でも、「多動」というのは裏を返せば、ものすごいエネルギッシュ!!疲れを知らないハイパー活動家とも言えますし、「不注意」を「多注意」と言い換えると好奇心旺盛で、さまざまなことに興味が持てるという強みになりますし、「衝動性が高い」=「思いついたらすぐに行動できる実行力がある」とも言えます。
ADHDの好奇心旺盛で、リスクをいとわず新しいことに挑戦し、行動力がありすぎるという強みを生かして成功している人は各界にたくさんいます。
ただ、学校文化はADHDの人には窮屈です。また、集中力がなさすぎて学習などに集中できず、持っている能力を発揮できず不全感が募ることもあります。悪気がなくても衝動性でトラブルを起こしてしまうこともあります。このためADHDの特性に合った環境調整をしたり、必要に応じて薬物療法なども行ったりします。