未来ビジネス×藤原印刷 おしゃれなブックカバー作り

専門学校未来ビジネスカレッジ(松本市渚2)のクリエイトデザイン学科が28日まで、「2色刷り印刷のブックカバー展」を松本駅ビルMIDORI4階で開いている。「“本離れ”を食い止めるアイテムを」と、2年生19人が創業60年余の藤原印刷(同市新橋)とコラボレーションし、一般のプリンターでは印刷できない「特色インク」を使った、おしゃれなブックカバー作りに挑戦した。
「ぱっと思いつく印刷物って何だろう?
3分間で話し合って」。ワークショップ形式の特別授業(7月4日)で、藤原印刷3代目で取締役の藤原隆充さん(36)が生徒に問い掛けた。「チラシ」「ポスター」「漫画」「雑誌」―。身近な媒体が挙がる。
藤原さんは、電子書籍やウェブマガジン、動画、会員制交流サイト(SNS)などの発達で、紙媒体や印刷業界が苦戦している現状を説明。若者の本離れが進み、雑誌も次々と廃刊や休刊に追い込まれ、「読書の定義も変わった」と指摘する。
その中で「どういう印刷物が若者の注目を集め、支持されるか考えてほしい」と生徒に呼び掛け、答えの一つがオリジナルブックカバーの制作だった。
「紙でしかできないことをとことん追求してほしい」と藤原さん。生徒に課されたミッションは「電車通勤や通学などで読書する際、周りがうらやむようなおしゃれでカッコいいブックカバーを作ること」。色はフルカラーでなく、特色インクを使う2色印刷。限られた色でデザインさせ、生徒の表現力を引き出す試みだ。
生徒は同社がこれまで手掛けたこだわりの本や冊子、チラシなどを手に、創造力を働かせた。青沼穂乃香さん(20)は「今はスマホで本やニュースが読めるけど、やっぱりページをめくる感覚は紙がいい」。

藤原印刷の工場見学(同30日)では実際に3色のインクを混ぜ、一般的なプリンターやコピー機では再現できない特色インク作りを体験。金属へらを使い、0・1グラム単位で正確な分量を練り合わせ、パステル調の鮮やかな色を作った。「今は機械でぴったりの色数値を出すことができるが、最終的な微調整には人間の手と目が欠かせない」と同社印刷部長の土井修さん(44)。
完成したブックカバーは、文庫本用のB5サイズ。特色の蛍光ピンクと蛍光イエローの2色を使いコート紙に印刷したもののほか、学校のコピー機で単色で出力したもの、紙をわら半紙やクラフト紙に変えてカラー印刷したものなど、1人一つのデザインを計5パターンで印刷し、比較展示した。
図柄は砂時計や花札、レモン、トランプなど個性いっぱい。グラフィックデザイナーを目指している平出雄大さん(19)は「学校では学べない印刷の技術や工夫を知った。電子データが主流になっても、紙は印刷や見せ方次第でいろいろな可能性がある」と話した。
特色印刷で実際に使用した、アルミ刷版の実物も会場に展示した。アンケート記入で、気に入ったカバー(1人2枚まで)を持ち帰れる。なくなり次第終了。問い合わせ同校電話0263・26・5500

(高山佳晃)

投稿者: mgpress