松本市に聞く 待機児童や保育士不足 対応は

イクトモでは、松本市や安曇野市の待機児童問題(7月11日付)、保育士不足(8月29日付)について、周りのお母さんたちの声を聞いて報告しました。それでは、保育所を巡る問題について市はどう取り組んでいるのでしょうか。イクトモの本庄みどりと藤原里絵が、松本市役所を訪れ、伊佐治裕子こども部長と高橋浩道保育課長に話を聞きました。(以下敬称略)

未満児の定員増施設面で対策

Q 今年4月時点で、松本市には待機児童43人(3歳未満児)がいましたが、解消しましたか?

伊佐治 43人のうち6人が入園し、1人は育休を延長し、残りの36人は解消できていません。特定の園に入ることを希望して空きを待っている人(潜在的待機児童)も4月時点で74人いました。途中入園の申し込みも多く、市立保育園全体で毎月約50人の申し込みがあり、そのうち30人前後しか入園できない状態です。
高橋 施設面で3歳未満児の定員を増やす対策はしています。梓川東保育園はリニューアル中で2019年春から受け入れを20人程度増やします。波田中央保育園は18人程度、島内保育園は48人程度、21年度から未満児受け入れを増やします。増設はすぐにはできないので、企業主導型保育園など、民間の力も借りたいと思っています。

Q 子どもの数は減っているのに、待機児童が増えている理由をどう考えていますか?

伊佐治 最近では、イオンモール松本の開業(17年9月)による就労先の増加もありますが、それだけでなく、松本市全体の雇用状況が良くなっているからだと思います。人手不足で女性の労働力が期待され、育児休業中の人も戻ってくるように促されているようです。
根拠はありませんが、子育てに関する調査をすると、子どもの教育資金を心配している人が多いと感じます。小さいうちから積み立てなければと考えていることも、子どもが3歳未満で働くお母さんが増えた理由ではないかと思います。

一時保育の役割に変化
予約方法も考える

Q ママたちに聞くと一時保育もすぐに定員に達してしまい、預けられないという声が上がっています。実施園を増やしたり、定員を増やしたりする予定はありますか?

伊佐治 一時保育の役割が、昔は親のリフレッシュのためでもあったのが、今は待機児童の受け皿になっています。パートや非常勤の仕事をする方が、一時保育に申し込みをしている。役割が変わってきているのに対応しきれていないことは大変申し訳ないと思っています。
高橋 一時保育は公立8園で1日40人程度受け入れています。場所によっては10人受け入れているところもありますが、市街地の保育園ではなかなか余裕がない。一時保育のニーズが場所によってどのくらいあるのか、調べて対策していきたいと思います。

Q 一時保育の予約方法を変更してほしいです。大半の園では、昼間に電話で申し込みで、かけてもつながらないという声があります。ネット予約やメールでできませんか?

高橋 その点は、考えなければいけないと思っています。電話のつながり順になっていて、定員になるとキャンセル待ちになってしまうということですね。園によっては、申込日の電話はすべて受けておいて、パートの保育士が確保できれば、定員以上でも受け入れるところもあります。インターネットの利用は職員が対応しきれない、というところもありまして…。そもそも、保育園に配置されているパソコンが少ないという環境もあります。

保育環境地域で維持を

Q 2017年に野村総合研究所がまとめた「子育てしながら働ける環境」がある都市のランキングで松本市が1位に選ばれています。評価を裏切らない態勢をお願いしたいです。

伊佐治 松本市の保育園の状況がまずいなと思っていたところに、「全国1位」が発表されて、皮肉な結果になってしまいました。市長も保育には力を入れていますので、待機児童の問題は大変なことだ、すべて公表しようと取り組んでいます。しかし、特効薬がない問題でもあります。
野村総研の方によると、松本市の自然環境や都市環境、保育園などのインフラだけでなく、住民の子育てに寛容な気質が高く評価されたということでした。保育環境の整備がとにかく一番ですが、地域住民の「みんなで子育てを応援しよう」という環境が維持できるようにしていきたいと思います。児童館・児童センターの整備も力を入れてやっていきたいと思っています。
(保育士不足の問題は10日付で紹介します)

投稿者: mgpress