脳を健康に保つために


危険因子取り除き力蓄えて

健やかに長生きするためには、体とともに脳の健康にも気を配りたい。グループホームせせらぎ(小諸市)のホーム長で看護学博士の堀内園子さんが、県看護研究学会(6日・松本市、県看護協会主催)で行った講演「安心して年を重ねるために~脳の健康を保つ工夫と衰えへの備え」を取材し、ポイントをまとめた。

★脳を健康に保つための準備

▽脳への危険因子を取り除く▽日頃から脳の力を蓄える▽万が一の時に相談できる機関や人を見つけておく―の3つが特に大切だ。
脳への危険因子となるのは、過剰なアルコールの摂取、喫煙、頭部外傷、ホルモンバランスの乱れ、ビタミンの不足など。「孤独」も認知症の発症に大きく影響する。親しい人などと少なくとも週に1回は会話することが望ましい。
脳の力を蓄えるものは、ブドウ糖、タンパク質、DHA・EPA、ビタミンB1・Eに加え、脳や神経、細胞膜などを形成する「レシチン」が近年注目されている。
レシチンは卵黄や大豆、レバーなどに含まれるが、含有量が少ないうえに熱に弱く、普段の食事だけでは不足しがち。そのため程よく食べ物から取りつつも、足りない分は信頼できるメーカーのサプリメントで補う方法もある。
また、脳の働きを維持し、引き出すものとして「香りの力」が最近注目されている。
嗅覚の神経は、好き嫌いを判断し感情の記憶が保存される扁桃(へんとう)体、記憶などに関わる海馬と直接つながっている。コーヒー、ローズマリー、ヒノキなどの自然由来で、自分が好きな香りを生活に取り入れることで、脳の活性化やリラックスにつながる。

★脳に良いこと

人は信頼する人から優しくなでられると、やる気をつかさどる神経伝達物質のドーパミン、愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシン、幸せホルモンのセロトニンが分泌される。
1、2回だけでなく7分ほど続けてもらうと、「自分のためにわざわざ時間を割いてくれている」という気持ちが湧き、ホルモンの分泌が増えたといった実験結果もある。
このホルモンは受ける人だけでなく、行う人にも分泌されるので、気持ちのこもった言葉を掛けながらやると双方に良い作用が生まれる。
なでる部位は、基本的には触れられる人が不快でないと感じればどこでもいいが、活力を湧かせたい時は足、悲しい気分を癒やすなら背中などの例もある。触れる場所の面積や皮膚の厚さなどを考慮しながらするといい。

脳を活性化させる「もしかめ体操」

(1)片方の手を開いて前に突き出し、もう一方の手は握り拳にして胸に当てる。童謡「うさぎとかめ」を歌いながら、前に出した手はパー、胸の手はグーにして手を入れ替える。
(2)次は、前に出す手はグー、胸に当てる手はパーにして、同じように「もしもしかめよかめさんよ~」に合わせて入れ替える。こちらの方が苦手な人は多い。
体の動きと脳の指令のバランスを取ろうとすることが脳の活性化につながる。1日1回でいいので、毎日継続することが大切。複数人で楽しみながらやるとより効果が上がる。
(大山博)


投稿者: mgpress