子どもの矯正歯科 どうすればいいの?


歯の生え替わりで気になるのが子どもの歯並び。イクトモメンバーの長男(小4)は、歯科検診で矯正歯科の必要があるかもしれないと指摘を受け、医師から説明を聞くと驚いたのが高額な治療費でした。すぐには治療開始を決断できず、周りのママたちに聞くと、治療方法や金額がさまざまあることが分かりました。そこで、矯正歯科に詳しい松本歯科大学の川原良美医師(47)に聞いてみました。

かむ力 発達に重要
費用や治療期間慎重に考えて

Q 矯正歯科をする子どもが増えているように感じますが?
悪い歯並びの原因として遺伝によるものと環境によるものがあり、あごや歯の大きさは遺伝によるものが多いです。環境の影響として、乳歯と永久歯の生え替わりが順調に行われないことや指しゃぶりなどがあり、一つの原因だけによるものではありません。歯並びの悪い子どもが増えたというより、毎年歯科健診を定期的に受けている人の割合が増え、歯の重要性を認識している親御さんが多いことが一番の理由です。矯正器具も昔より目立たなくなり、治療のハードルが下がっています。
Q いつごろから始めればいいですか?
前歯の上下4本が永久歯に生えそろってきたころが目安。それ以前に気になることがあれば、年齢に合った対応ができるので受診してください。
Q 治療費は?
日本歯科矯正学会によると平均80~120万円ですが、永久歯の本格矯正治療の料金です。乳歯列期、または乳歯と永久歯が一緒にある時期の料金は別に設定している場合があります。あくまで平均的な額で、個人個人によって歯並びの状態が違い治療方針も異なるため、治療費はさまざまです。処置料金が毎回かかる医院と、全て合算されている医院などの違いもあるため、始める前に治療費や方法、期間をしっかり確認してください。
Q 矯正のメリット、デメリットは?
見た目が美しくなるのはもちろん、歯並びが良くなることで、かむ力が上がります。かむ力が弱いと消化器系に良くない上、筋肉が発達しないため、顔の形にも影響し、歯周病になりやすくなります。歯の寿命を延ばすためにも矯正は有効です。
デメリットは、長期の治療になり、費用がかかること。痛みを感じることもあります。ただ、子どもよりも成人してからの矯正の方が痛みを感じるケースが多いことから、子どものうちに治療を始める方がいいのかもしれません。

正しい舌使い 歯並びに影響

Q 歯並びを良くするためにできることは?
舌の使い方が重要で、授乳と離乳食の時期から注意が必要です。授乳は座って正しい姿勢で行い、離乳食は口に詰め込みすぎない、スプーンであげる時に唇をきちんと閉じるまで待つ、などで子どもは正しい舌の使い方を習得できます。舌を出してしまう癖がつくと、舌で歯を押してしまいます。そして姿勢。猫背になると口が開きやすくなり、舌が下がります。そうすると上あごがひっぱられて、上あごのアーチ(曲線)が狭くなってしまいます。口呼吸の癖がついている子も同様です。鼻炎などを治して、鼻呼吸を促すことも大事です。
食べ物としては、かみごたえのある食事が有効です。かむ時にあごを大きく動かすため、臼歯は外側へ傾き、歯列の幅が大きくなります。
Q 治療後は元に戻りませんか?
人間の歯は変化していくので、戻りはあります。そのために、矯正の後は押さえるための装置をします。取り外し可能の装置なので自分で管理する必要があります。


歯の矯正は治療に時間がかかるため、始める前によく考える必要がありそうです。中学生になってしまうと、部活などが優先されて治療を途中でやめてしまうケースもあるそうです。治療金額だけでなく、引っ越しや、進学などのライフプランも頭に入れて、どこで、どのような治療を受けるのか慎重に考えた方がよいと感じました。
(本庄みどり・桜井一恵)

 

【プロフィール】
かわはら・よしみ
日本大理工学部建築学科、日本歯科大歯学部卒、昭和大歯科病院矯正歯科員外助手、松本歯科大学大学院修了。2017年9月から同大病院育成期口腔(こうくう)診療部門診療講師。同大歯科矯正学講座講師、日本矯正歯科学会認定医。中学1年の長女と小学校4年の長男を持つ。

投稿者: mgpress