「NPO法人のぞみ会」長野支部事務局長河合小百合さんに聞く 関節痛の改善と予防

寒くなると一層感じやすくなる「関節の痛み」。病気や過度の運動など原因はさまざまなので医療機関を受診すべきだが、生活習慣や姿勢を見直すことで予防や症状が和らぐケースもある。全国に約4700人の会員がいる変形性股関節症の患者会「NPO法人のぞみ会」の長野支部(174人)が、理学博士で同支部事務局長の河合小百合さん(47、松本市)を講師に同市内で開いた「関節痛改善教室」を取材し、ポイントをまとめた。

生活習慣や姿勢見直して

★自然な姿勢が大事
関節の痛みや動かしにくさの元は、不自然な姿勢からくることが多い。姿勢を見直したら症状が良くなったというケースもあるので、まずは日常生活で意識してみる。
「自然な姿勢」とは、背骨が伸びて余計な負担がかからない状態。具体的には、上に引っ張られるイメージで後頭部を高くし、下半身はかかとの骨で床を押し下げる、または尻の骨で座面を押し下げる。これで背中の中心部を縦に細長く走っている「脊柱起立筋」が張り、背骨が伸びる。
腹筋、背筋を鍛えるだけでは背骨は伸びにくく、関節痛も治りにくい。
★背骨を伸びやすくする運動(一例)
(1)うつ伏せになり、尻を内側に寄せて、かかとを内向きに倒す。その体勢のまま腰を左右に揺らすと筋肉がほぐれやすい。
うつ伏せをした時、かかとが外側に倒れてしまう人は、尻の筋肉が伸び切り、背骨が曲がったり反ったりしているサインだ。
(2)仰向けになって腕を胸の前で組み、体を真っすぐにする。その状態から丸太が転がるように、左右にごろんごろんと行ったり来たりする。
ポイントは上半身を先行させず、1本の棒が転がるように全身で真っすぐ転がること。どちらも寝る前などに布団で少しずつ実践するといい。
★痛くならない動きを探す
長時間、椅子に座っていると、どうしても足の付け根と膝の裏が硬くなってしまう。時々立って、伸びたりストレッチをしたりすると予防になる。
大事なのは「痛む関節を無理に動かさず、痛くならない動きを探す」こと。自然な動きを引き出すためには、関節周りの筋肉の緊張をほぐすことも必要だ。
★痛くならない歩き方(一例)
腰が上下左右にぶれる歩き方は、関節の痛みを助長する。その理由は、脚の動きに腰の回転が加わって全身がねじれるため。関節にねじる力が加わると、骨と骨をつなぐじん帯が斜めに引っ張られ、古びたゴムのように伸び、関節がすり減って激しい痛みとなる。
「痛くならない歩き方」は、腰から上を動かさず、脚だけを前後に出すイメージ。腰を両手で固定し、後ろの足裏全体で地面を押して進む。
その時、体の中心線に近い腸腰筋を使うことが大事。足を前に出す時に使う筋肉が、体の中心線に近いほど腰の回転は小さく、関節の消耗も少ない。
太っている人は関節痛になりやすいといわれるが、体重の影響よりも普段の姿勢や歩き方が悪く、関節に負担が掛かっていることが多い。

のぞみ会では医療機関と連携し、人工関節置換術などを行った患者の体験発表や情報交換会を定期的に開いている。同会電話03・5272・0745(月・水・木曜の午前11時~午後3時)
(高山佳晃)

投稿者: mgpress