【なないろキッズ】 #11 状況に応じ合理的配慮を

「合理的配慮」という用語を聞いたことがありますか?さまざまな特性の人が教育や就業などにおいて平等に参加できるように、一人一人に合わせて行われる配慮のことです。2016年に「障害者差別解消法」という法律が作られ、この合理的配慮を可能な限り提供することが、行政、学校、企業などの事業者に求められるようになっています。
図をご覧ください。従来「平等」というのは、(1)のように一人一人の違いを考慮せず、一律に同じ踏み台を提供することと言われてきました。でも、(2)のように個々の違いに応じて踏み台の高さを変えることで、皆が同じスタートラインに立てる方が合理的(=公平)ですよね。
例えば、書字障害のある子どもにワープロで印刷した課題提出を認めるとか、一斉指示が聞き取れない子どもに手順書を書いて渡すといったことも合理的配慮の一つと言えます。診断名で配慮が決まるのではなく、一人一人の特性、困り事の内容や程度、提供する側(学校など)の人的・経済的なことなどを含めた状況を総合的に見て、個別に話し合って決めていくものなのです。
だから「あの子は○○の合理的配慮がなされているから、うちの子も同じようにして!」というものではありません。また、図で「踏み台を買うお金がないから、A君がC君をずっと肩車して」と言われたらA君が疲れてしまうし、C君は本当は野球に興味がないのに踏み台に乗せられても無意味です。バランスを取れる範囲で調整していくのがよいと思います。