シュガーアート全国2位 松本の小松愛さん 技術磨き繊細な細工で表現

砂糖をペースト状にして繊細な線を引いたり、立体的なデコレーションを作ったりするシュガーアート。11月17、18日に東京都で開かれた第12回日本シュガーアートコンペティションで、松本市小屋北で「おけいこサロンルーモス」を開いている小松愛さん(32)が準グランプリを受賞した。全出展56点の中で2番目の賞だ。
受賞した「ILoveミュージック」は、直径18センチ、高さ28センチのケーキ型にデコレーションした作品。子どもと一緒に出る予定のピアノの発表会を思い浮かべながら、音楽の楽しさを表現した。ピアノや音符、花など繊細な細工が目を引く。
趣味の「アイシングクッキー」作りからスタートし、専門的に学んで教室を開くようになったのは2014年。積み重ねてきた技がまたステップアップした。

楽しく学ぶことで強くなれた

0.7㍉口の部品 緊張続く作業

小松愛さんは、日本シュガーアートコンペティション11部門の中の「ミニケーキ部門」に挑戦した。
シュガーアートはイギリス発祥の砂糖で作るデコレーション。作品の上に載せたピアノやバラは、砂糖をメインに増粘剤や水あめなどを混ぜた粘土状のペーストで形を作る。ペーストはすべて自分で混ぜるほか、市販の物もある。
レースのような飾りは、砂糖と卵白、水で作った材料を袋に入れて、小さな穴から絞り出して、模様を描いたり、線を引く。絞り口の直径は0・7ミリほど。台の上で線を引き、乾燥させたものを組み立ててたり、直接絞り出したり…。
気の遠くなるような細かな作業を続け、約1カ月。当初のデザイン通りにはいかないことも多く、作業の順番を考え、組み立て、頭をフル回転させて完成させた。額の中に楽器が浮かび上がるような2段目は「薄いパーツを割れないように組み立てるのは大変だった」。出品は自分で持ち込むため「持って行く時が一番どきどきした」と笑う。「誰も私にぶつからないで」と願いながら、大切に大切に運んだ。
「何かの賞に選ばれるといいな:」と思っていた小松さん。会場では他の作品がすごく良く見えたため、準グランプリの受賞に驚きながらも喜ぶ。「自分しかできないことをやっているという自信につながった」と話す。

落ち込んだ時 精神的支えに

幼い頃からお菓子作りや、かわいらしい物が大好きだった。22歳で結婚し、子どもが生まれてから、ますますかわいいお菓子に目がいくようになり、「キャラクターのケーキなどが作れるといいな」と、クッキーの上に砂糖でデコレーションするアイシングクッキーを習い始めた。
26歳の時に、夫が難病に倒れた。3歳の子どもを抱え、精神的に落ち込んでいる中、気持ちを切り替えるためにも「好きだった物を学ぼう」と、シュガーアートの講座を開く日本サロネーゼ協会を見つけて、名古屋に通い、アイシングクッキーを本格的に学び始めた。
学ぶ中で、アイシングクッキーがシュガーアートの一部だと知って「もっと学びを深めたい」と、幅を広げて専門的な勉強に取り組んだ。師範科で学んでいる9月に、先生からコンペへの出品を勧められ、挑戦することになった。

「おけいこサロンルーモス」は、自宅やカルチャー教室などで指導してきたが、9月から自宅近くに専門のサロンを持ち、アイシングクッキーをメインにレッスンを始めた。
小松さんに2年ほど学んでいる平沢希和子さん(50、横田)は「外見的にも内面的にもすてきな先生。年下だけどたくさんの技術を持っていて尊敬できる」と話す。
ルーモスには、山梨県など遠方の生徒や、近隣のプロのパティシエも装飾の技術を学びに来る。小さなカフェでパティシエをしている中谷衣里さん(26、新橋)は、「アイシングクッキーには、いろいろな技術が詰まっているので勉強になる。先生の人柄にも癒やされる」と話す。
小松さんは「落ち込んでいた時にアイシングクッキーに取り組むことで精神的に救われた。楽しんで学び、自分の技術を磨くことで、前より強い自分になれた」と話す。「松本は、お稽古ごとをする人が少ないイメージがある。趣味を持つことは大切だと多くの人に伝えたい」
ルーモス℡090・7737・0109

(田原利加子)

投稿者: mgpress