料理研究家、シェフ、信大准教授に聞く スーパー食材もち麦効果

横山さん できるだけ「主食」が理想
山田さん 食物繊維豊富病院食にも

食物繊維を豊富に含む、もちもち、プチプチした食感の「もち麦」がスーパー食材として注目されている。信州大などが11月初めに麻績村と松本市で開いたセミナーを取材し、講師の料理研究家横山タカ子さん(長野市)、丸子中央病院(上田市)内のレストラン「ヴァイスホルン」専属シェフ山田康司さん(松本市出身)によるもち麦にまつわる話とレシピ、信大医学部保健学科の日高宏哉准教授の話をまとめた。
大麦には、米と同じように「うるち性(押し麦など)」と「もち性」があり、もち米のようにもちもちした物が「もち麦」だ。
もち麦は水溶性食物繊維「大麦β(ベータ)|グルカン」が豊富で、▽糖質の吸収を抑える▽食後血糖値の上昇抑制▽血中コレステロールの正常化|などさまざまな良い働きがある。
【横山さん】もち麦はあれこれ手を加えず、できるだけ主食として食べるのが理想だと思っている。
私は普段、玄米に大豆を足して食べているが、そこにもち麦も加えると夫が嘆く。戦前生まれの夫は、そういう物をさんざん食べてきたので抵抗感があるようだ。玄米や麦ご飯を敬遠するのは、必要であろう年配の男性に多いと感じる。
でも、精白米は卵に例えれば、黄身を捨てて白身を食べるようなもの。米どころ信州で、栄養的にも味わいの面でもそんな食べ方はもったいない。ぜひ、少しでも胚芽が残っているご飯にもち麦を交ぜて食べてほしい。
良いことも悪いことも、3週間続いた習慣は一生続くという。私と同じ主婦の方は、家族をうまく「だまして」食事に取り入れて。
【山田さん】もち麦は食物繊維を補えるので、入院患者向けのメニューにも取り入れている。無理なく継続的に取るにはご飯に交ぜて主食とするのがいいと思うが、特にお年寄りは嫌がる人もいるため、病院では基本的に主食とは別に使う。
手軽に取り入れるなら、インスタントのスープにゆでたもち麦を入れるだけでもいい。食感が楽しく「インスタントっぽさ」がなくなり、栄養バランスも良くなる。紹介した雑炊もあまり主食という感じではないが、お米よりもさらっと食べられておなかに優しいのでは。
料理に使う場合、食べる人に「これはいい」と思ってもらえることが大事。「使わなきゃ」という意識ではなく、無理なくおいしく食べてほしい。

善玉菌増加腸内環境保つ
信大医学部日高准教授

もち麦は「β|グルカン」という水溶性食物繊維が多いのが特徴。昨年われわれが行った摂食試験でも、もち麦を食べることで善玉菌の増加が認められた。県では従来品種よりβ|グルカンを多く含む新品種「ホワイトファイバー」を開発し、普及を進めている。
多くの細菌が生息し、免疫力をつかさどる細胞が集中する腸は、単なる消化・吸収の器官ではない。生活習慣病やストレスへの抵抗力、脳機能、肌の状態などさまざまな体の調子に影響を及ぼすことが分かってきた。
最近は大腸がんの増加が指摘されている。現代の食生活は全般的に高脂肪・高タンパクで食物繊維が少ない。そこに喫煙や飲酒、運動不足などが加わると、腸内環境が悪化する。
一般的に年を取るほど悪玉菌が増え、善玉菌が減っていく。脂肪の蓄積を減らして燃焼効率を上げ、肥満抑制につながる食物繊維、腸内環境の改善に効果が高い発酵食品を積極的に取り、腸内の環境を保つことが若さと健康を保つことになる。
(長岩将弘)


投稿者: mgpress