安曇野「旧高橋わさび店」 古い建物に可能性改修資金を募集中

「安曇野は塩の道街道穂高宿。『旧高橋わさび店』大改修始めます」というプロジェクトが始まっている。雑貨などの販売やカフェを営業する安曇野バザール若松屋(安曇野市穂高)の立花ちあきさん(40)、穂高で生まれ育った主婦、林裕美さん(49)が、古い建物を生かし活性化につなげようと、クラウドファンディングで改修資金を集める取り組みだ。
昭和初期のわさび販売店舗、加工所、住居を兼ねた建物で、当時の面影がたっぷり残る。「可能性がいっぱい」「昔のわくわく感がよみがえる」と、2人とも思い入れは深い。立花さんは「こういう活動を広く知ってもらう機会になれば」とも話している。

昭和初期頃の町家造り建築

高橋わさび店は、創業1897(明治30)年。建物の詳しい建築年は不明だが、昭和初期の頃という。間口5・4メートル、奥行き60メートルと奥に長い町家造りの建築。1階には店舗、8畳の座敷が2間、台所やトイレ、加工所など、2階には10畳の座敷2間などがある。正面の看板が大正ロマン風。4年前に閉店した。
安曇野バザール若松屋は、高橋わさび店の2軒南隣。こちらも明治時代の古い蔵造りの家を改装している。2店が面した道路は、旧穂高宿のある塩の道街道(旧千国街道)。そういったことを知る人は少なく、車が通り抜けるだけの道路になっていることなどから、同店は「人が歩くにぎやかな町にしたい」と、地域の人と協力し、穂高宿七夕まつり、穂高ハロウィンなどを開催してきた。
一方で、道路沿いの店が閉店したり、空き家が増えたり、古い建物が取り壊されたりしてきた。「高橋わさび店もこのままでは壊されるかも」という思いから、2年前に建物を借り、利用法を模索してきた。
床など手を入れてきたが、水道管の修理に30万円ほどかかった上、トイレが和式で水漏れがする、照明が暗い―といった不都合があり、このままでは利用が難しい、と改修することに。資金はクラウドファンディングを使い、広く呼びかけることにした。
同店の常連、林さんにとって、穂高宿は子どもの頃から大好きな場所。ガチャガチャをしたり、呉服店でおしゃれな洋服を買ったり、書店で漫画を買ったりと、わくわくする場所だったという。
立花さんからクラウドファンディングの計画を聞き、子どもの頃の気持ちを思い出したという林さんは「立花さんが本当に楽しそうに話すから、それに巻き込まれ、自分もわくわくし始めた。こうした気持ちを、みんなが思い出すきっかけにもなればいい」と笑う。
目標額は150万円。出資者には、金額に応じ、国産山葡萄(ぶどう)かごバッグ、信州山の木のはちみつ、ワークショップ参加券などを贈る。

人が歩く道にするには何が必要か―。「店が増えることが一番だと思う」と立花さん。「古い街道を歩くのが好きな人もいることから、『塩の道』の案内板も立てたらいいのではないか」といったアイデアもある。
すりガラス、明かり取りの階段、古い建具などがある高橋わさび店の建物は、昔の雰囲気をそのまま生かし、レンタルスペースとして貸し出す予定だ。歩いている人が立ち止まって手に取りたくなるような作品や物が並んだり、何かを始めたいという人が相談しに来る場に-、と夢は広がる。
穂高地区商業部会長の丸山節雄さん(70)は「由緒ある古い建物は、みんなもったいないと言っているが、資金もかかるので、なかなか手を付けられない状態。こうした活動は、町の活性化にもつながるので、応援したい」とする。
Readyforでのクラウドファンディングは25日まで。フェイスブックの立花さんのページ(tachibanachiakiで検索)から。(八代けい子)

投稿者: mgpress