ピザエキスポ日本一の快挙 松本アレッタの赤羽勇治さん

ジャパンピザエキスポ マスターズ部門で優勝

音楽に合わせてピザを回したり、回すことで生地を延ばして大きく広げたりといった総合的なピザ専門技術を競う「ジャパンピザエキスポ」。今年は11月18日、栃木県で開き、松本市の縄手通りにある「ピッツェリアアレッタ」(大手4)のオーナーシェフ、赤羽勇治さん(28)が、4人が競ったマスターズ部門で優勝した。
歴代チャンピオンが出場する部門。20歳を超えてからピザ職人を目指し、昨年シングルアクロバット部門で優勝した実力を持つ赤羽さんは264・7点という高得点で、2位に10点近い差を付けての快挙を果たした。
日本一の称号に、「一度も落とさず実力を出し切れた。次の目標は、イタリアやアメリカ、オーストラリアで開かれる世界大会」と意気込む。

夢与える人に 職人育成にも力

火を使い演技 観客も高評価

ジャパンピザエキスポは「RED―JAPANピザ職人協会」が2012年に始めた。米国ラスベガスの大会で5回優勝した経験がある赤荻一也さん(37)=栃木県=が協会の代表を務める。
音楽に合わせてピザを回す「シングルアクロバット部門」、500グラムの生地を5分間で延ばした大きさで競う「グランデ部門」、歴代優勝者の「マスターズ部門」。昨年まではそれぞれ別部門だったが、今年から、総合的なピザの専門技術を競おうとシングルアクロバットとグランデを組み合わせることに。一般の出場者と歴代優勝者とに分けて実施した。
花形は、やはりシングルアクロバット部門だ。競技時間は2~3分。音楽に合わせ、生地を高く放り投げる、腕の上を転がす、背中を回す、足の下をくぐらせる―などの動きを盛り込む。まるでスピード感あふれるダンスのよう。聴衆もあおり、どんどん盛り上げる。
「ピッツェリアアレッタ」の赤羽勇治さんは今年、火を使ったパフォーマンスを披露した。ピザにかけたベンジンオイルを指ですくって火を付け、それを作業台に置く生地に着火させるなど、正確さや技術力に加え、オリジナリティー、観客の評価でも高い評価を受けたという。

動画サイトで ピザの世界へ

もともと、父の経営する建設関係の会社に勤務。飲食関係の仕事経験もなかったという赤羽さん。動画投稿サイト「Youtube(ユーチューブ)」で見た赤荻さんのパフォーマンスに引かれ、ピザの道に入ったというユニークな経歴の持ち主だ。「ピザを回すという発想がなかった。こういう世界があることを初めて知った」
生地を回す作り方はフライング製法といい、イタリアが発祥。目でも舌でも楽しんでもらおうと技術を競うようになったという。大会は競技であり、かつエンターテインメント。ラスベガスで盛んで、イタリアなどでも行われている。世界大会は2000年ごろに始まったという。
シリコン製の生地を購入し、見よう見まねでアクロバットパフォーマンスの練習を始めたが、なかなか思うようにいかない。埼玉県にあるサークルに所属し、月1回程度通い技術を磨いた。
始めて半年後の2012年、初開催のピザエキスポでシリコン製のピザを回す「ラバー部門」に出場し、優勝。生地のアクロバット部門に挑戦したい気持ちが生まれた。メディアの取材に(本物の)ピザは作れないと言わなければいけなかった悔しさもあり、赤荻さんの元へ。人生の転機だった。
埼玉県の赤荻さんの店でピザの技術や料理を学び、15年のピザエキスポに出場。シングルアクロバット部門で2位になった。そこそこの結果が出たことに加え、当初から3年と決めていたこともあり、16年に松本に戻り翌年3月、「ピッツェリアアレッタ」をオープンさせた。
赤荻さんに魅せられ、ピザ職人の夢を抱いた赤羽さん。今の目標は、夢を持てない大人が増えている中、「赤荻さんから夢を教えられたように、自分も誰かに夢を与えられる人になりたい」。
今後は徐々に指導する側にシフトし、ピザ職人育成にも力を入れ、「ピザ業界を盛り上げたい」と張り切る。赤羽さんブランドのピザ店が各地に登場するのも、そう遠くない未来かもしれない。

パフォーマンスは土曜日午後7時から。ピッツェリアアレッタ電話88・7412
(八代けい子)

投稿者: mgpress