碌山美術館が「荻原守衛日記・論説集」刊行

安曇野市穂高の碌山美術館は、荻原碌山(本名・守衛=もりえ、1879~1910年)の日記などのカラー写真を収めた「荻原守衛日記・論説集」を刊行した。2009年の「作品集」、15年の「書簡集」と合わせ、自筆原稿などを写真で紹介するシリーズが完結。今年は同館開館60周年に当たり、「今後の研究の基礎資料になれば」と期待する。
日記は1899(明治32)年の1年間に書きつづった「つくまのなべ」や、メモ書き風の「懐中日記」「渡米日記」、やや長文の「イタリア・エジプト日記」など7冊をページごとに写して掲載。活字にした文章を添えた。碌山が自分の蔵書の見返しに書いた入手経路なども、そのまま紹介している。
論説は、「藝術雜談(げいじゅつざつだん)」「予が見たる東西の彫刻」など、碌山自身の書いたものや、談話を起こしたものなど39編が載る。
館の学芸員で、同日記・論説集編集委員13人の1人、武井敏さん(44)は「そもそも、碌山の直筆日記を写真に撮って載せる試み自体が初。パリ留学時代にスケッチブックに書き込んだメモなども面白い。碌山の日常や人となりを垣間見ることができる」。
高野博館長(70)も「美術館は、作品資料の保存公開が使命。資料を忠実に整理し、次世代の人たちにも読みやすいようにと心掛けて作った。3部作は碌山芸術を理解する上で必須のものになると思う」と語る。
A4判変型、574ページ。5800円。碌山美術館電話82・2094
(長田久美子)

投稿者: mgpress