【なないろキッズ】 #12 カレンダーで予定を把握

自閉スペクトラム症の特性がある方は、見通しが持ちにくく不安になることが多いため、その支援として「カレンダー」や「スケジュール」を使います。
幼児期に自閉スペクトラム症と診断されたAちゃんは、幼稚園でその日の予定や行事の時の流れなどをスケジュール表にしてもらい、園生活を順調に過ごしました。
小学校入学後は教室に時間割が掲示され、週の予定表も毎週配られるので、お母さんから口頭で今日の予定を教えてもらっていました。しかし、2学期になって行事の準備が続くようになると、学校で泣いてしまうことが増えてしまったのです。
本人によくよく聞いてみると、「時間割」の表はどこを見たらいいか分からず、周囲の子の動きを見て動いているものの見通しが持てなくて不安がたまっていたようです。口頭で聞いたことはイメージが持ちづらく頭に残りにくいので、忘れないように一生懸命になるあまり、次の先生の言葉を聞き逃したりすることも多かったようでした。
そこで担任とお母さんが連携を取り、「今日」の授業と授業の合間の過ごし方、持ち物や行動なども含めた「予定表」を家庭で作成して持たせ、追加・変更があるときは、その予定表に担任が書き込む形で本人に伝えるようにしました。また、家庭と教室で同じ形式のカレンダーを使い、「今日」に注目しやすいように赤枠を付けて表示するようにしました=図。
このカレンダーはAちゃんだけでなく他の子どもにも好評で、みんなが日程を把握しやすくなりました。Aちゃんは学校での緊張感が減り、予定表を見て事前に分からないことを質問することもできるようになり、笑顔がたくさん見られるようになりました。