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[創商見聞] No.29 吉江 ヒロ (家印-iejirushi-代表)

家族の幸せの印、暮らしに表札を

―起業で「表札」に着目したのは
 14年間、看板を制作する会社に勤務し、飲食店や美容室などさまざまな店舗の看板のデザインを手掛けてきました。そのときのノウハウを生かして独立を考えたのが35歳ごろです。
 でも、看板だけだと相手が店舗や会社に絞られてしまう。そこで、表札なら一般の人にも対象が広がると考えました。ただし、これまでの表札のイメージではない、もっと自由な発想で、その家に暮らす人の思いを形にした、オリジナリティーあふれるデザインにしたらどうかと。「新しい表札文化」をつくりたい―、そんな思いですね。
―起業を考え、商工会議所の創業スクールを受講
 起業するといっても何もわからず。そこで、インターネットで調べていったら、塩尻商工会議所が行っている創業スクールがあることを知り、参加しました。私以外は全員女性の方でしたが、とてもいい雰囲気で。その仲間とは今も交流していますし、お互いに仕事を依頼しています。
 スクールでは創業計画書をつくるということで、起業の心構えから始まり、事業の進め方、財務関係、販路の開拓など一から教えていただきました。起業を考えている方にはお勧めです。
 その後、小規模事業者持続化補助金を使い、営業ツールを制作しました。具体的にはホームページとパンフレットの制作です。
―店舗は構えず、どのように営業を
 私はデザインと販売を主にしていますので自宅で仕事をしています。しかし、まずは自分で仕事を見つけてこなければいけませんから、地元の工務店などに営業したり、経営の勉強会や経営者の方々が集まる場へ積極的に参加するようにしています。
 また、独立して経営者の方とのつながりができましたので、昨年はその関係でイベントに出店しました。あとは、ホームページ、インスタグラムやフェイスブックなどSNS(会員制交流サイト)の活用ですね。ホームページからのネットショップを構築し、現在9パターンぐらいの表札を掲載。そこから注文してもらうことができます。
―「暮らしに表札を」がコンセプト。「家印」ならではの表札とは
 木、鉄、銅、真ちゅう、革、布など、表札の素材はさまざまにあります。例えば金属は年月とともにさびますよね。でも、さびた後も格好いい、そんな表札を私は提案したいんです。経年劣化は自然なことであり、家族とともに年月を重ねてきた表札には何とも言えない味わいと愛着が生まれると思います。素材本来の魅力を感じ、家族の幸せの印として大切にしたくなる、それが家印の表札です。
 もう一つ、家族の名前が自由に組み合わせられる「HONEYCOMB SIGN(ハニカムサイン)」があります。子どもが生まれたら、その子の名前がこれまでの表札に新たに「つながる」。家族が増えると家族の形態も変わります。それを表札で表現しました。
―今後の展開は
 表札の新しい使い方として、「インテリアとしての表札」を提案していきたいと考えています。玄関やリビングなどインテリアとして飾れる表札ですね。例えばイニシャルをデザインした「イニシャル表札」も考えました。防犯上の理由で表札を掲げていない方にもPRしていかれるかなと思います。また、子ども部屋の前にその子の名前の表札を掲げるなどしても楽しいですね。
 また、昨今、多くの外国の方が日本を訪れていますので、日本の文化である「表札」を紹介していかれればいいかなと思います。体制が整えば、ワークショップもしてみたいと考えています。
 まだ、昨年創業したばかりですから、これからですが、今のところは大きな苦労は感じていません。逆に楽しくて仕方がない。会社の中だけにいたのでは出会わなかった人たちとの出会いもありました。起業することに理解を示してくれた家族には感謝しています。

【よしえ・ひろ】 本名吉江大紀。家印代表。岡谷市出身。38歳。8年ほど前に塩尻市に移住。専門学校でデザインを学んだのち14年間ほど看板制作の会社に勤務しデザイン・製作・販売などの経験を積み、2017年5月、「家印iejirushi」を創業。【家印-iejirushi-】 ホームページ:「表札家印」で検索
Eメール:hello@iejirushi.com