2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

[創商見聞] No.33 藤澤 味幸 (株式会社フジサワ商会 代表取締役社長)

突然の解雇を好機に変えて、起業

―勤務先の事業整理、解雇から一転、起業、社長就任と生活が激変した
 贈答品や日用雑貨卸売の会社の松本支店に事務として15年ほど勤務していたのですが、ある日、本社に呼ばれ、「今日で事業を停止する」と告げられて。突然の解雇でした。ただ、そのとき一緒に解雇された上司はこの業界四十数年のベテランで、業界のこともいろいろ分かっていました。「この売り場がもったいないから、社長になって会社を立ち上げ、事業を続けないか」と言われ、私自身、基盤はあるし、ちゃんとやればできるのではないかという気持ちもあり、起業を決めました。
―商工会議所の支援を受けながら、解雇からわずか3カ月で会社を設立
 2017年4月に解雇され、すぐに行動を起こしました。それまでの取引先や仕入れ先に出向き、これまでの事業エリアを引き継ぎたいとお願いに回りました。大半の会社が了解してくれ、ありがたかったですね。それまで上司が培ってきた人脈や取引先との信頼関係があったからこそと思います。
 もちろん、事業を継続したいといっても、個人でやることはできません。法人でちゃんとした会社でないと取引先は相手にもしてくれません。法人設立の手続きはすべて社長がやらなければならないのですが、ある日突然社長となった私には、まったく知識がありませんでした。松本商工会議所で担当してくれた野畑さんに一から教えていただき、無我夢中で動きました。
 その後、金融機関を紹介していただき開業資金の申し込みを行い、また市の家賃補助などいろいろ細かなことを教えていただき、とても役に立ちました。家賃補助は一銭でもお金は出したくないときでしたから助かりました。7月に会社を設立しましたが、自分たちの力だけではここまで至らなかったと思います。友人ら周りの応援もたくさんもらい、大きな財産になっています。
―経営理念は
 大手にはない、迅速できめ細やかな対応をすることで、お客さまに満足していただける会社を目指しています。キャッチフレーズは「困ったときのフジサワ商会」―。お客さまの求めているものを、求められたときにぱっと出せる、そんな細かな対応を心掛けています。利益だけを考えるのではなく、お客さまのために動くことが必ず次につながると思います。
―今後の展開は
 創業計画を作成するとき、販売計画として今年は幾ら、2年目は幾らと、まったく雲をつかむような話でしたが、このくらいの数字になればいいなという思いで作成しました。おかげさまで、当初予定していた額よりも1年目は良かったし、2年目の今年も維持できる見通しです。今後は、取り扱い商品の拡大を図っていければと考えています。
 ただ、業界全体の傾向として、需要そのものが減りつつあります。例えば法事関係は近親者のみとなると個数も減るし、金額も減ってくる。次の手立ても考えていかなければなりません。地域の皆さんには、うちの会社はまだ認知されていない。そこで、地域の運動会や祭りなどのイベント商品として利用してもらったり、直接個人で店に買いに来てもらうなど、販売拡充を図っていきたいと思います。
 さらに、メーカーと協力しながら、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)に備えたつえや靴の販売も始めました。ロコモゼロトレーナーの認定も受けたので、今後はイベント会場などに出向き、紹介することもやっていく予定。新しくやることはまだたくさんありますね。 
 今後、10月に予定されている消費税の引き上げやキャッシュレス決済など新たな課題も出てくるでしょう。まだまだ勉強中の身ですが、やると決めた以上、歩みを止めるわけにはいきません。

【ふじさわ・みゆき】 松本市出身。49歳。企業で事務員として働き、15年ほど前に日用雑貨卸の会社に就職。2017年4月、突然の解雇。同月、創業の準備に入り、7月に株式会社フジサワ商会を設立。代表取締役社長に就任。