老舗3店「松本飴プロジェクト」本格始動 あめ市で共同開発の新商品

「あめの街、松本」をもっとPRしようと同市内の老舗あめ店、山屋御飴所(おんあめどころ)=大手2、飯田屋製菓=同、新橋屋飴店=新橋3=がタッグを組み、板状の米あめに県産のフリーズドライのリンゴを混ぜた新商品を初めて共同開発。12、13日に中心市街地一帯で開く松本あめ市で販売する。
3店はいずれも江戸時代の創業。歴史のある店が、まとまって残っていることを「観光資源」と捉え、昨年6月に「老舗同士が一丸となってPRしたり、事業に取り組んだりしよう」と、「松本飴プロジェクト」を結成。今回の新商品は、プロジェクトとしての本格的な活動の第1弾だ。
恒例の縁起物「福あめ」の準備は最盛期。今年はリンゴの酸味が効いた新しいあめが加わり、「あめの街、松本」への道を切り開く。

「あめの街、松本」PRへ団結
松本飴プロジェクト 山屋・飯田屋・新橋屋老舗3店

リンゴ入り三者三様で

3店には古くから、薄く伸ばした米あめに落花生を混ぜた人気商品があった。形状は似ており商品名は、山屋御飴所は「板まめ」、飯田屋製菓は「まめいた」、新橋屋飴店は「まめ板」だ。
「なめる」というより落花生と一緒に「ぱりぱり食べる」という食感で、今回、共同開発したフリーズドライのリンゴ入りの新商品は、各店ともこれらの商品をベースにしている。
山屋の太田喜久代表(57)は「商品を一からつくると時間もコストもかかる」とし、「何を入れるかイチゴや栗、クルミなどの候補もあったが、信州らしさを出すためにリンゴに決まった」と説明する。ベースのあめは各店のオリジナルで、出来上がった商品はリンゴの配分量などレシピはそれぞれで、味や食感も異なる。
3店ともリンゴの砕き方に苦労したといい、太田さんは「三者三様で、食べ比べができて楽しいのでは。あめとリンゴの相性が想像以上に良かった」。飯田屋の伊藤雅之専務(45)は「息子に食べさせたら『もう一個』とねだってきて手応えを感じた。後味がリンゴのおかげでさわやか」。新橋屋の田中聡代表(54)は「昨年、あめ市用にエゴマ入りを作ったが、それ以上においしい」と出来栄えに満足している。
各店オリジナルのパッケージに、太田さんが常念岳をイメージしてデザインした「松本飴プロジェクト」のロゴマークのシールを張って販売する。

昨年4月、太田さんがサラリーマンを退職し、家業に専念。それをきっかけに「3店がそろって何かをやりたい」という以前から抱いていた思いを6月の松本菓子組合の総会で、伊藤さんと田中さんに伝えた。同様の思いを持っていた2人も賛同した。
江戸時代初期、正月の市始めが起源とされる「あめ市」。歴史の長いあめ専門店が複数あることも珍しく「1店だけでは自分の店のPRにしかならないが、3店で情報発信すれば『あめの街、松本』の雰囲気が盛り上がる」(太田さん)と、松本飴プロジェクトを発足させた。
手始めに、昨年の「敬老の日」に合わせ、それぞれの店の商品を相互販売。12月には同プロジェクトと井上百貨店、Kami Labo.の合同企画で、3店の商品を1箱に詰めた「松本飴箱」を井上で200個限定で販売。2日間で完売したという。

今回を「スタートライン」と位置付ける3人。売れ行きを見ながら継続販売なども検討。新たな商品開発もアイデアを出し合っていくという。
太田さんは「年間を通して松本のあめが注目されるようになれば」。伊藤さんは「3店の歴史を知ってもらい、『あめの街、松本』を実現させたい」。山田さんは「知恵を持ち寄って新しいことに取り組んでいきたい」と力を込めた。

【メモ】
信州りんご入りのあめは12、13日、各店舗で購入できる他、山屋と新橋屋の商品は信毎メディアガーデン屋外広場「スクエア」でも購入できる。山屋600円、飯田屋756円、新橋屋550円。
通常の営業は以下の通り。
▽山屋御飴所 午前9時半~午後5時半。水曜定休。℡0263・32・4848
▽飯田屋製菓 午前9時~午後6時。不定休。℡0263・32・1983
▽新橋屋飴店 午前8時~午後6時。無休。℡0263・32・1029

(浜秋彦)

投稿者: mgpress