プロ・アマ総勢15人出品 真冬の安曇野に彩り豊か写真展

真冬の安曇野の新たな観光イベントにー。安曇野市穂高有明の「ギャラリー・レクラン」は、総勢15人の写真家による作品展「十人十色15の色」を2月25日まで、47日間を3期に分けて開いている。
同市三郷温の写真家、石田道行さん(57)が企画した。個展を集合させる形で、プロやアマチュア、所属団体などに関係なく、これだけ多くの写真家が一堂に会する作品展は珍しいという。
SNS(会員制交流サイト)の普及で近年失われつつある、写真を「撮って、プリントして、展示する」という本来の作品展のあり方を、多くの人に再認識してもらう狙いもある。
寒さが厳しく、観光客が遠のく安曇野の冬に、15人の個性が彩りを与える。

「個展」の良さ意義味わって

「十人十色15の色」展は、ギャラリー・レクランのオーナー貫進一郎さん(67)が、「真冬の閑散期にギャラリーを使い、何かイベントをやってほしい」と石田道行さんに相談したのがきっかけ。
石田さんはレクランで、自身の「ブナの森」をテーマにした作品展を開いたほか、松本市筑摩出身で、昭和初期にアマチュア写真家の先駆けとして活躍した、故横内勝司さんの作品に光を当てる展示を行った実績がある。
当初、以前と同様の企画を考えた石田さんだが、レクランに独立した5つの展示室があることに着目。5人の写真家に1室ずつを割り当て、個展を開くことを思いついた。
石田さんは「単独で個展を開くのは経費や集客の負担が大きく、未経験者には敷居が高い」とした上で、「今はSNSが普及し、誰でもネット上で写真を公開できる時代。しかし、それは本来の写真の見せ方じゃない」と強調。
立場や所属団体に関係なく、写真に意欲的に取り組んでいる人に、小規模でも「個展」の良さや意義を味わってもらう機会になれば|という狙いもあった。
早速、県内外の知り合いの写真家らに打診したところ、予想以上の反響があり、あっという間に希望者が14人まで集まった。横内さんを出展者として加えて「15人の写真家展」とし、3期に分けて開くことにした。

現在は1期(21日まで)を開催中。金敬源(キン・ギョンウォン)さん(57、安曇野市穂高有明)、新潟県の樋熊フサ子さん(十日町市)、小林健一郎さん(上越市)、小杉峰之さん(糸魚川市)の3人と、横内さんの作品を展示している。
金さんはプロの写真家で、「沁(しみ)フォト」のテーマで21点を展示。「晩春麗花」は池田町陸郷の散りかけたヤマザクラが被写体。わずかに残る花びらのピンクと木の幹の黒、芽吹き始めた若葉の緑のコントラストが鮮やかだ。
レクランでの個展は初めてで「5人に共通のテーマがなく、かみ合わないところが面白い」とし、「鑑賞者が次の部屋に移る時に、ときめくのでは」と評価する。
樋熊さんは初の個展。普段は森をフィールドに撮影し、今回は森で集めた葉や花びら、木の枝などで女性の顔を造形し、それを撮影した作品を展示。
「十日町市に美術館などはあるが、個展を開くには敷居が高い。アマチュアでも気軽に展示できるこのギャラリーは最高。4時間かけて来る価値がある」と喜ぶ。

石田さんは、今後もこうした作品展の企画を検討するといい、「普段はつながりのない作家同士の交流の輪が広がり、『自分もやってみたい』という人がどんどん出てきたら」と期待する。
作品展の2期は24日~2月4日、3期は2月7~25日。午前10時半~午後4時半。入場無料。火、水曜定休。ギャラリー・レクラン℡0263・31・6969

(浜秋彦)

投稿者: mgpress