木祖の安原さん村役場を退職し開店 「カフェ&バル」村のオアシスに

木祖村薮原に4日、「カフェ&缶づめバルリバーサイドオアシスWAKU↑WAKU(わくわく)」がオープンした。昼間はカフェ、週末夜は缶詰を元にしたメニューと酒類を提供する洋風居酒屋、バルになる。同村で初めてのスタイルの店だ。
オーナーの安原文祥さん(39、小木曽)は昨年3月、勤めていた村役場を退職し準備を進めてきた。妻・瞳さん(39)と共に切り盛りする。
「ゆっくりコーヒーを飲める店がほしい」という村民の声を聞いてきた。40歳を目前に自身の生き方を考えての挑戦だ。新店舗は木曽川近くにあるログハウスで、家族で建てた。「皆が集まり、元気が湧く、村のオアシス的な存在になりたい」と、新たな道を歩み出している。

多彩な缶詰週末夜はバルに

JR薮原駅から木曽川に向かい徒歩5分の場所に「カフェ&缶づめバルリバーサイドオアシスWAKU↑WAKU(わくわく)」がある。ログハウスのドアを開けると、オーナーの安原文祥さん、瞳さん夫婦が笑顔で迎える。
入り口付近に並べられた缶詰は約70種類。焼き鳥やサバといった定番はもちろん、イワシのレモンスープ漬けや、だし巻き卵、たこ焼きなど珍しい品々が多い。バルの時間帯には好きなものを選んでバーナーであぶって食べる。土産やプレゼントに購入することもできる。ご当地ラーメン20種類もそろえ、店内で調理して提供するほか持ち帰りもできる。
「保存期間も長く、個性的な味の缶詰なら無理をせず面白いことができそう」と文祥さん。瞳さんは「開店を目指して毎日、毎日、缶詰とご当地ラーメンを食べて品定めをしました」と苦笑い。2人は飲食店に携わるのが初めてだ。

40歳目前に新たな挑戦

木祖村で生まれ育った文祥さんは大学卒業後、村役場へ。新潟県糸魚川市出身の瞳さんと2004年に結婚し、長男の源喜さん(中1)と長女の好美さん(小4)を授かった。
役場の仕事もやりがいがあったが、数年前から「1度しかない人生。いろいろなことに挑戦してみたい」と思うように。どんどん成長していく子どもたちとの時間をもっと持ちたいという思いもあった。村にはカフェやバルがなく、心が傾いた。
「最初に話を聞いた時は驚いたけど、葛藤や夢など、いろいろな気持ちを聞いているうちに応援しようと思いました」と瞳さん。パートで保育園に勤める傍ら、文祥さんと開店することを決めた。
大手が運営する缶詰バルのフランチャイズ店という形もあった。何店舗かの説明会に足を運んだが、品ぞろえが決まっているなど制約が多く断念。平日午後はカフェ、週末夜のバルで飲み物とつまみ150品余りを提供することにした。

気軽に集いくつろいで

一方、食品や日用品、ゲームなどを販売するネットショップもヤフーとアマゾンでそれぞれ展開。「人と交流する店とインターネット上の店の2本柱でやってみたい」。新しい働き方に取り組んでいく。
ログハウスを店舗にしたのは、子どもたちと一緒に建てられるからだ。昨年8月、夏休み中に家族で作業。「大工さんになりたい」という長男・源喜さんも張り切った。
役場勤務の経験から村内には知人も多く、「退職して開店することは、回覧板よりも早く広まった」と笑い、小さな村だからこそ家庭的な雰囲気を大切にし、住民が気軽に集えてくつろげる店を目指す。
「自分たちの描いたスタイルでスタートできた。あとは頑張るだけ」と文祥さん、瞳さん。宴会予約が順調で、カフェ営業はお年寄りの来店が予想以上に多いという。
スポーツサークルや発表会、会議などに利用できる120インチプロジェクターを備え、レンタルスペースとして貸し切り利用も対応。「いつ来てもわくわくできるメニューや仕掛けを考えていきたい」とアイデアを練る。

【メモ】
【カフェ&缶づめバルリバーサイドオアシスWAKU←WAKU(わくわく)】木祖村薮原1224-8。カフェ(火~土曜午後1時半~4時半)、バル(金、土曜午後6時~午前0時、平日は予約制)。日、月曜定休。℡0264・36・3055

(井出順子)

投稿者: mgpress