背骨コンディショニング協会認定インストラクター 浅川嘉昭さんに聞く 背骨矯正で痛み改善

運動で治せる体の不調も

背骨のゆがみを直すことで腰痛や肩凝りなど体の不調を改善する「背骨コンディショニング」が注目を集めている。背骨コンディショニング協会(本部・大阪市)代表理事の日野秀彦さんが考案、開発して2001年から始めた運動プログラムで、昨年12月には米大リーグのカブスに所属するダルビッシュ有投手も取り入れて話題になった。同協会の認定インストラクターで、松本地方で約50人の受講生を持つ浅川嘉昭さん(35、安曇野市豊科)の講座を取材した。
浅川さんは松本、塩尻、安曇野市内の6会場で「グループ体操」を行っている。受講者の多くは中高年だ。
昨年11月下旬、塩尻市吉田公民館で開かれた講座には、市内の女性4人が参加していた。
最初に行ったのは、関節や神経を緩める運動。うつぶせになって足裏が天井に向くように両膝を直角に曲げ、かかとで円を描くように回して仙腸関節を緩めたり、あおむけの状態から足を上げ、足首を外側や内側へ曲げて座骨神経を緩めたり。
また、胸を開く運動で肩甲骨周辺の胸椎を緩めたり、肩を開く運動で肩関節を緩めたりも。「関節の可動域を広げ、柔軟にするために行います」と浅川さん。
次は骨のゆがみの矯正。ここでは、ゆがみを直したい骨に直接働きかける特製の道具「仙骨枕」を使う。
例えば仙骨枕を仙骨に当て、仰向けに寝て膝を立て、左右に倒す。体重を利用して、後方にずれた仙骨を押し込むための動作という。
仙骨枕は、頸椎(けいつい)や腰椎などさまざまな部分に当てて矯正できるよう設計されている。
最後は筋力トレーニング。伸縮性のあるバンドを足に引っ掛けて両手で引っ張ったり、バンドを足で引っ張ったりして、肩甲骨周辺や仙腸関節周辺の筋肉を鍛える。参加者から「きつい」と声が漏れると、浅川さんは「筋肉痛はご褒美」と笑顔で返す。
「体が熱くなってきた」「あくびが出る」などの声も挙がり、心身をリラックスさせる副交感神経が優位になった様子。最後にストレッチをして1時間の講座を終えた。

背骨コンディショニングが重視するのは、上半身と下半身をつなぐ「仙骨」。仙骨がゆがむと、バランスを取ろうとして背骨のあちこちもゆがんでしまう。このずれが痛みやしびれなどを引き起こすという。
「背骨がずれると神経が引っ張られて伝導異常を起こす。これが痛みなどさまざまな症状として表に出てくるんです」と浅川さん。
肩凝り、腰痛、手足のしびれ、偏頭痛、めまい、内臓疾患など、検査しても原因が分からない「不定愁訴」と呼ばれる体の不調は、多くの場合、背骨のずれに原因があるというのが背骨コンディショニングの考えだ。
歯科衛生士の荒井明美さん(57、広丘吉田)は、腰痛や肋間(ろっかん)神経痛に悩まされ、痛み止めの薬を飲みながら働いてきたが、背骨コンディショニングを始めて1年たった今では痛みも収まり、薬も飲んでいないという。「整骨院へ行ってもジムに20年以上通っても改善しなかったのに」
弁当店で働く黒須みゆきさん(51、広丘野村)も、頭痛と肘痛に長年悩まされていた。背骨コンディショニングを始めて3カ月たった今は痛みがなくなり、鎮痛剤も飲まなくなったと言い、「私は子育てが終わってから始めたが、子育て中の母親にこそ実践してほしい」と話した。
浅川さんは「医療の力だけでなく、運動で治せる体の不調があることを知ってほしい。自分で自分をケアする大切さを浸透させたい」と力を込めた。
松本地方では各地で背骨コンディショニングの講座が開かれている。メール(tf.style.db@gmail.com)

(松尾尚久)

投稿者: mgpress