認知症演劇で理解 来月14日 市民芸術館でワークショップ

介護者は時に俳優や演出家に

認知症になったらどんな気持ちか。介護者に求められることは-。当事者の思いを演劇を通じて体験し、考えていくワークショップが3月14日、松本市のまつもと市民芸術館オープンスタジオで開かれる。老いや認知症への理解を深め、コミュニケーション力を高める取り組みだ。
講師は、俳優で介護福祉士の菅原直樹さん(35)。岡山県を拠点にグループ「老いと演劇OiBokkeShi(オイ・ボッケ・シ)」を主宰し、認知症の人との関わりを考える演劇やワークショップを全国で行っている。
菅原さんは小劇場を中心に役者として活動していたが、ヘルパーの資格を得て、介護現場でも働くようになった。介護と演劇は相性が良いとし「介護者は時に俳優や演出家になる必要がある」と提言する。失敗や間違いを批判されたり訂正されたりすると、認知症の人は傷つき、徘徊(はいかい)や暴力、介護への抵抗につながることもある。
演劇を通して認知症の人の気持ちを理解し、その人の世界に合わせて「演技をする」と、行動を落ち着かせることもできるようになる、と菅原さん。中程度~重度の認知症に対応ができ、「忙しい介護現場であるほど、回り道でも認知症を理解し、関わり方を変えていく必要がある」と話す。
3月のワークショップは、認知症や障害のある高齢者に「遊び」を通じてリハビリをする「遊びリテーション」の体験と、グループ内で交互に「認知症の人」の役を演じることで、認知症を体験し、関わり方を考えていく。午後7時から約2時間半のプログラムだ。
主催は「シルク・ドゥ・シルク」プロジェクトの今井浩一代表(51)=岡谷市。製糸業の歴史を持つ街を舞台に、街への誇り、活気を生み出す文化事業に取り組む。今回「老い」を取り上げるのは、「母の死をきっかけに老いや介護を深く考えるようになり、準備が必要と感じた時に、菅原さんのワークショップに出合い、目からウロコだったから」。介護職、介護に関心のある人、演劇に関わっている人に参加してほしいという。
ワークショップの参加は30人、見学は20人。参加費2000円、見学1000円。申し込み、問い合わせは同プロジェクト、メールsilk2014cirque@gmail.com
(井上裕子)

投稿者: mgpress