【なないろキッズ】 #15 「好き」のパワー生かそう

発達の偏りがある人は特に、興味の持てないことを「皆がやることだから」と無理やりやらせられるとストレスが強くなりすぎますが、「好き」なことへの情熱はとても大きい人が多いです。この「好き」への情熱をうまく生かして伸ばしていくことは、発達の偏りのあるお子さんを育てる一つの大きな鍵になります。
小学1年生のA君は、自閉スペクトラム症といわれている男の子。鉛筆を持って書くことがなかなか進みません。宿題の平仮名プリントを1枚やるのに、先延ばししたり、きれいな文字が書けないと怒ったり。親子で毎日格闘です。
夏休みの課題にも平仮名の練習帳が出ましたが、単語を書くだけの課題にやる前からうんざり。そこでお母さんは、A君の大好きなアニメのイラストとせりふで構成した「お手製平仮名練習帳」を作ってみました。アニメのキャラクターを描き、そのせりふをなぞり書き→写し書きすることで、平仮名の練習につなげようというものです。
A君はその練習帳を見ると大喜び!早速意欲的に取り組み、「次は○○のシーンでお願い!」とどんどん注文。夏休みが終わるころには平仮名だけでなく、片仮名まで全て書けるようになりました。
毎回お手製の宿題を作るのは容易でないですが、A君の場合、1年生の学習スタート時期にモチベーションをうまく上げて、平仮名学習に取り組めたことはとても良かったようです。
同じ作業をするにしても、「好き」のパワーの応援があるとモチベーションが上がることって誰にでもありますよね。「好き」を見つけて、「好き」を生かすのはお勧めです。