歌って元気はつらつ! 音楽療法教室

シニア世代の「歌の会」が各地で活発だ。歌のジャンルはさまざまだが、懐かしい歌謡曲や童謡唱歌、叙情歌などを歌うことで癒やされたり、認知症予防や肺機能の活性化など健康面にも良かったりする。塩尻市レザンホールで「演歌のつどい」を月1回開く「しおじり歌謡愛好会」と、相澤東病院(松本市本庄2)の音楽療法教室を取材した。

衣装や舞台演出楽しく

1月18日の「新春演歌のつどい」には、中信地区の70代を中心に105人が参加。司会者が名前と曲名を紹介すると、1人ずつ中ホールのステージに立ち、フルコーラスで歌を披露した。
ほとんどの人が着物やドレス、スーツなど華やかな衣装で登場。音響や照明にも気を使ったステージで、演歌を中心に最近の曲までプロの歌手さながらの演奏が繰り広げられた。
午前9時から午後5時半までノンストップで進み、客席からは「よかったよ!」などの声援や手拍子が起こり、ペンライトを振る人たちも。聞く人も楽しんでいる様子が伝わってくる。
大好きな美空ひばりさんの「一本の鉛筆」を歌った松本芳子さん(76、塩尻市広丘郷原)は、お手製のドレスにヘアメークもばっちり。「仲間が髪のセットを手伝ってくれて、私も着物を着付けてあげる。きれいだね、よかったよと拍手をもらうのが生きがいになっている」
毎回欠かさず参加するという蟹沢五夫さん(80、同市広丘野村)は「会場が素晴らしいのと、順位を付けないところがいい」と絶賛。週1回カラオケ店で歌い、家ではカセットテープを流して練習して本番に臨むと言う。「大きな声を出すことでリフレッシュでき、適度な緊張感も認知症予防になると思う。多くの歌仲間もできた。この場をつくってくれる運営役員に感謝です」
演歌のつどいは、歌好きな人に発表の場を設け、大勢の仲間で交流しようと2017年にスタート。愛好会の会員は約230人で、参加者が多い時は2日間行うこともある。平出清男会長(77、同市大門二番町)は「誰でも歌える和やかな雰囲気を大事にしている。毎回聞きに来てくれる人もいてありがたい。みんなで楽しめればうれしい」と話した。

昔思い出し脳が活性化

相澤東病院は、2016年から病棟で音楽療法をスタート。翌年からは市民向けの「健康教室」の1つとして、音楽療法を月1回行っている。
指導するのは診療部長で日本音楽療法学会会員の近藤清彦医師(66)。「入院患者さんは80歳以上の方が多く、昭和10~20年代の曲を選ぶと喜んでもらえます。市民向けの教室でも昭和の歌謡曲をメインに歌っており、参加者は頑張っていた若い頃を思い出し、心が満たされるようです」。
近藤さんは、歌うことの効果について「楽しみや癒やしを得られるほか、認知症の予防と治療にも効果が期待されています。呼吸器系が鍛えられ、ストレスが軽減するメリットも。歌を通して普段思い出さない昔のことを思い出す、それだけでも脳が活性化します」。
また、みんなで歌う教室に出掛けることで運動になり、人と会話をして笑ったり刺激を受けたりすることは、認知症予防の生活習慣の1つとして推奨されていると言う。
参加した清水芳子さん(84、松本市庄内)は「昔の知っている歌を歌えるので、教室が待ち遠しい」。初めて参加した竹内章子さん(82、同市島内)は「音楽は聞くだけだったが、声を出して歌うことがとにかく楽しかった」。赤羽茂子さん(68、同市梓川)は「『湯島の白梅』は、私が小さい時に祖母が歌っていて思い出がよみがえった。何回か参加して、以前より声が出るようになった」と話した。
次回の音楽療法は3月1日午後3~4時。予約・問い合わせは同病院看護部の武井さん電話0263・33・2500
(丸山知鶴)


投稿者: mgpress