1節 磐田1-1山雅(23日・ヤマハ) 岩上先制弾 敵地で真っ向勝負 手応えと悔しさ 相半ば


4年ぶりに復帰したトップカテゴリーでの開幕戦。チケット完売のスタジアムは、四方が磐田のチームカラーのサックスブルーに染まり、場内には独特の緊張感が漂う。それでも山雅は駆け付けた約1400人のサポーターに背中を押され、元日本代表の大久保や中村らを擁する相手と真っ向勝負を繰り広げた。【01面参照】
山雅は今季新加入のうち、3バックの右に服部、左にエドゥアルド、左ウイングバックに高橋を先発で起用。
前半8分、山雅は相手ゴール前でFKを得ると、岩上が右足を一閃(いっせん)。相手の壁の頭を越すキックではなく、足元をすり抜けるグラウンダーのボールがゴールに吸い込まれた。「うまく駆け引きに勝てた」と名手はしてやったりの表情。敵地で先制に成功した。
その後は磐田が攻勢に出たが、山雅は各選手が与えられた役割を果たし、前線からのプレスや精力的なアップダウンで、相手の攻撃陣の良さを消した。
1トップを任された永井も“汗かき仕事”を真面目にこなし、「自分たちの特長である前線からのプレスでボールを奪い、相手を『はめる』こともできた。守備はJ1でも自信を持っていい」と手応えを口にした。
攻撃面では、前田とセルジーニョの2シャドーが持ち味を発揮。磐田の守備陣に対し、前田は抜群のスピードで裏へ抜け出し、セルジーニョは足元の高い技術で困惑させた。決定機の数はほぼ同じで、シュート数は13と相手の11を上回った。実力者がそろう相手に、敵地であっても押されっぱなしにはならなかった点は、ポジティブに捉えたい。
一方で課題も。J1にはワンチャンスを逃さないストライカーが名を連ね、同点ゴールを許した代表経験がある川又のような点取り屋が各チームに必ず1人はいる。4年前に戦った時もそうだったが、彼らに仕事をさせない「要所を抑える」守備が求められる。
放ったシュートも、得点になったのは先制のFKだけ。ゴール前での勝負強さを高めることも急務だ。「一人一人が決定力を上げ、チームで戦いたい」と岩上が指摘するように、絶対的な得点源が不在なら、全員がゴールを狙う姿勢を打ち出すことが必要だ。
「残念とも、よくやったとも言えるゲーム。相手に一瞬の隙を与えると、こうなる。ただ、J1の水に慣れていない中で、開幕としてはよくやった」と反町監督。負けなかったことへの手応えと、勝てなかった悔しさとが相半ばしたスタートだった。
(フリーライター多岐太宿)


投稿者: mgpress