町おこし活動に終止符 信大付属中3年C組 浅間温泉へ思い熱く

信州大付属松本中学校3年C組(3C、39人)が、地元の浅間温泉の活性化を目的に3年間取り組んだ活動「浅間温泉まちおこC(町おこし)」に終止符を打つ。先輩から引き継ぎ、さまざまに展開してきたが、引き継ぐ後輩が見つからなかった。生徒らは、活動に込めた思いを冊子にまとめ、卒業までに温泉の関係者などに贈る。

多彩な取り組み 道半ばの思いも

「私たちがやってきたことは、浅間温泉のためになったのか?」卒業が近づく2月14日、3Cが学校で開いた活動報告会。生徒らは感謝の気持ちを伝えようと招いた旅館やホテル、商店などの関係者に問い掛けた。
活動は、かつてのにぎわいがなくなった温泉街を活気づけたいと、2学年上の先輩らが総合学習で取り組んだのが始まり。引き継いだ3Cは、1年時からイベントに参加したり、街頭インタビューで温泉の魅力を尋ねたりと、これまで20以上のプロジェクトを遂行した。
中でも1、2年時に行った、温泉に宿泊する信大受験生の応援会は、受験生と一緒に餅をつき、手作りのお守りを渡し、温泉の魅力も宣伝。澤柳壮一郎さん(14)は「自分たちの力で初めて行った活動で、一番の思い出。大変だったが、経験を将来に生かしたい」と振り返る。
2年時は、プロ野球の公式戦で温泉街近くの市野球場を訪れた巨人軍の選手に、名物「おしんこ餅」と温泉まんじゅうを差し入れた。温泉への熱い思いを球団に伝えて実現した。
旅館やホテルの若手経営者らが開いた枕投げ大会「枕ンピック」には2、3年時に参加。裏方として手伝ったり、新種目「かるた枕」で使う、近隣の名所などを詠んだオリジナルかるたを作ったりした。
本年度は、山火事からの再生に努める住民らと協力し、温泉の裏山ともいえる大音寺山を舞台にした紙芝居や絵本を制作。トレッキングツアーを催したり、SNS(会員制交流サイト)で情報を発信したりした。

「このまま活動を終えてしまっていいのか」「活性化は道半ばではないのか」-。さまざまな意見が出る中、3Cは活動を引き継ぐ後輩の出現を願い、現1年生に苦労や失敗も包み隠さずプレゼンテーションした。しかし、手を挙げるクラスはなく、自分たちの代で終えることにした。
中嶋実咲さん(15)は「残念だけど、後輩に無理に押しつけることはできない。私にとって浅間温泉は『心のふるさと』。これからも大事にしたい」。
3Cと一緒に、大音寺山の整備や紙芝居作りを手掛けたNPO法人「浅間温泉木の絆会」の久保村能久会長(75)は「この先、浅間温泉がどう変わっていくか見守ってほしい。大人になって振り返った時、皆さんの活動が決して無駄ではなかったと思えるはず」とねぎらった。
(高山佳晃)

投稿者: mgpress