21日「狩猟まるごと体験ツアー」

ジビエの現場知って味わう

ジビエ(野生鳥獣肉)って、どうやって手元に届くのだろう―。狩猟やジビエに関わる人たちでつくる「松本ジビエ&ハンターズフォーラム(MGHF)」は21日、「信州松本の里山で狩猟まるごと体験ツアー」を開く。シカやイノシシなどのジビエに注目が集まる中、狩猟から料理まで一連の流れを一般に知ってほしいと企画した。
松本市内の猟場で地元猟師がガイドするほか、解体の現場を見て、ジビエ料理と信州の地酒を味わう。実行委員長は、飲食店を営み猟師2年目の砂子慎哉さん(42、同市里山辺)。松本地方でこうしたツアーはまだ珍しいといい、「ジビエは究極の地産地消で、里山は宝の山。将来は宿泊施設と連携し、観光ツアーに育てたい」と力を込める。

宝の山で究極の地産  地消捕獲から料理まで解体の体験も

「松本ジビエ&ハンターズフォーラム」が21日に行う「信州松本の里山で狩猟まるごと体験ツアー」(松塩筑猟友会協賛)は3部構成。1部は「松本の里山を歩こう」。実行委員長の砂子慎哉さんがガイドを務め、松本市山辺地区の猟場でオリエンテーションを開催。
参加者は足跡やふんなどフィールドに残された動物のサインを見たり、わなの仕掛け方のレクチャーを受けたりする。前日までに仕掛けたわなを見回り、獲物がかかっていれば、捕獲や血抜きの作業も見学する。砂子さんの分かりやすい説明も楽しみの一つだ。
2部は「鹿を解体しよう」。ジビエ解体加工処理施設「美ケ原山崎商店」(同市内田)に移動し、作業を見学後、実際にナイフを手に解体を体験する。
3部は「ジビエ料理と地酒を愉(たの)しもう」。砂子さんが経営する「信州蕎麦(そば)ラウンジくりや」(同市中央2)を会場に、「鹿ジビエと山師料理の宿ざんざ亭」(伊那市)代表で料理人の長谷部晃さんと、くりや料理長の石原義晃さんが腕を振るったジビエ料理を味わう。利き酒師でもある砂子さんが、料理に合わせて選んだ信州の地酒の試飲もある。

食育や観光に大きな可能性

砂子さんは富山県出身で、20年ほど前に長野県へ移住。地酒や地のもの、ジビエを提供するくりやを経営する中、「信州でしかできないことがしたい」と2年前に狩猟免許を取得した。狩猟免許を取る若い女性を指す「狩りガール」といった言葉も生まれてはいるが、高齢化などで実際に狩猟をするハンターは少なくなり、里山にはシカなどが増えて獣害が問題に。「地域貢献を」という思いもあった。
「ジビエが定着すれば、里山は宝の山になる」が、砂子さんの持論だ。ジビエ料理に注目が集まっているものの、食肉処理施設の整備や流通ルートの確保、知名度アップなど、安定供給や消費拡大へ課題は多い。「今回の催しで、シカやイノシシなどがどこで育ち、どうやって肉になるのか知ってほしい」。命あるものを感謝しながらいただくー。食育にもつながる試みだ。
砂子さんは、金をかけて名所、名産をつくり出す手法に疑問を抱く。「里山を人工で造ったらものすごくお金がかかるが、もともとあるものをちゃんと生かせば、観光資源になるのではないか」。特に松本市の東山部は市街地に近く、可能性は大きいとし、「狩猟体験ツアーだけでなく、ブドウ棚の下で松本平を見ながら、青空レストランを開くのも面白い」。
ジビエだけでなく、都会ではできない体験を提供する、山歩きの魅力を伝えるーなど、里山はまさに地域の宝になりそうだ。砂子さんは将来、宿泊施設と協力し、こうしたツアーを提供したいと言う。

狩猟まるごと体験ツアー参加は20歳以上で定員15人。参加費1万2000円(バス代、食事代などを含む)。午前10時半に松本駅お城口か、10時45分に中町通りのくりやに集合し、マイクロバスで移動する。申し込み、問い合わせはタビゼン電話0551・45・8279

(八代けい子)

投稿者: mgpress