【なないろキッズ】 #16 相談スキルを身につけて

困ったことが起きた時に相談することや、かなえたい希望を相手と交渉して折り合いをつけるといったことは、生活していくのに大切なスキルですが、発達の偏りがある人は往々にして身に付きにくい傾向があります。
コミュニケーションが器用でないこともあり、相談するとかえって面倒なことになる、交渉なんてしても無駄だと思い込んでいることも少なくありません。子どもの頃は、保護者が代弁してくれる機会も多いので何とかなるようですが、中高生、大人になってから困ることが目立ってきます。このため子どものうちから、相談・交渉スキルを段階的に練習して身に付けていくことは、とても大切だと考えています。
会話が普通にできるタイプの自閉スペクトラムの人でも、自分のネガティブなことを相談したり、上手に交渉したりすることはなかなか難しいものです。繊細なお子さんが多いため、相談してみたのに相手にされなかったり、かえって怒られたりしたら「もう二度と相談なんてするものか!」と思い込んでしまいます。
また、「自分で相談してみなさい」といわれても、どのタイミングで言い出したらいいのか、どんなふうに言ったらいいのかわからず、なかなか行動に移せないこともあります。
初めの段階は大人同士が連携してある程度お膳立てしておき、本人にもマニュアル(せりふ)を作って練習してから、相談して解決する。そういったことを重ねて、「相談してよかった」という経験を積んでいくことが、相談スキルの上達につながります。
次回はもう少し具体的な方法をご紹介します。