中学生とスマホどう考えるか? 学校持ち込みルール見直し

小中学校にスマホ(スマートフォン)を持っていくのはOK?

文部科学省が2月、小中学校への携帯電話やスマホ持ち込み禁止のルールを見直すことを発表し、議論を呼んでいる。大阪府は4月から、公立小中学校への持ち込みを認める。
携帯やスマホが身近で、ネットの世界とつながっているのが「当たり前」の世代。ルール見直しの背景には、スマホ普及率が年々上がり、災害時などに子どもと連絡が取れるようにしたいという親の要望もある。本年度の県教育委員会の調査でも、中学生の半数以上がスマホを持ち、親の認識以上にスマホに時間を費やしていることが分かっている。
スマホとの付き合い方、中学生と親はどう考えているのか、親子のバトルを松本市で聞いた。

便利さと危うさ 揺れる価値観

松本市で中学生の親に話を聞くと、「持たせるのは好ましくない」と思いつつも、「与えざるを得ない」という親は少なくない。
中2の娘を持つ母親(40代)は、娘にねだられ、中1の夏休みにスマホを買い与えた。「周りの友達が持ち始め、本人が欲しがった。LINE(ライン)を使えば連絡が取りやすくなるので使用を認めた」
使うにあたりルールを決めた。寝床に持ち込まない、部活連絡網を除き、ラインはグループを作らない、夜10時以降の使用禁止、テスト2週間前は没収。しかし、娘はライングループを組み、テスト前もだらだらと渡さないことがあり…。ルール厳守は難しい。
中1の娘を持つ母親は、小5でキッズスマホを持たせた。こちらもきっかけはライン。ショートメッセージより便利だと考えたからだ。ラインメッセージのやりとりは家族と親族に限定し、友達との連絡は固定電話。「キッズスマホは使用アプリも利用時間も親が管理できるので安心感がある」という。
厳しい制約の中、娘は「友達とラインしたいと、少し思う」と本音をのぞかせるが、「変なことに巻き込まれると怖いので今は使わなくてもいい。学校へ持っていったら、会話がスマホ中心になりそう」と心配する。
ある中3女子にとって、スマホは音楽を楽しむツールだ。昨年からスマホを持ち、ユーチューブで音楽を聞く。小学生の時から家族共用のタブレット端末を利用。「小6の時から動画の音を聴きながら寝ているので、スマホを取り上げられたら寝られなくなるかも」
男性(46)の家では、高3の長男がスマホ依存に近い状態だ。「高校入学前の春休みから持たせたが、家にいるときは常にスマホ。便利だから使う親世代とは機器に対する価値観が違う」と困惑顔だ。

スマホを持っていない子どもも、多くがタブレット端末やゲーム機、携帯音楽機器などネットにつながるツールを所持している。
40代女性の家では、中1の娘に家族共用のタブレット端末を利用させている。ラインのグループトークは習い事のグループのみ。「クラスの半数以上はスマホを持っている。仲のいい友達ともっと自由にラインできたらとは思う」と話す娘に対し、親は「子どもの交友関係は縛れない。子どもを信じることも大事かな…」
「友達がみんな持っている」「連絡網がラインのグループトーク」と言われれば、親の心は揺れる。大阪で小中学校への持ち込みを容認したのも、災害時に連絡が取れるようにという保護者からの要望がきっかけだった。
便利さとあやうさ、どちらを優先する?さて費用は?子育ての悩みはますます深くなっている。

ネットトラブルに詳しい小川さん「適切に使えるかが鍵」

中学校教諭で、子どものネットトラブルに詳しい教育情報化コーディネーター小川文徳さん(48、同市高宮)に話を聞いた。
スマホを持つきっかけの多くはライン。家庭の事情もあるのでスマホを「持たせるな」とは言えないが、「遠ざけた方がいい」と言いたい。多くの親はわが子の本当の利用状況を知らない。ぜひ使っているアプリを把握し、寝室にスマホを持ち込ませないでほしい。ネットのトラブルはリカバリーが効かず、深刻な状況に陥る。「用があるから使う」大人に対し、「用がなくても使う」のが中学生。やりとりの中心はどうしても恋バナや悪口になるし、面白半分の動画を投稿してしまう。
ネットの利用時間が長いほど学力が落ちるのは国の学力状況調査で明らか。ただ、最も成績の良いグループは、ネットの利用時間が「30分未満」。つまり、スマホなどを持っていても我慢できる子、適切に使える子が成績を伸ばす。この事実が鍵とみている。
(取材班)

投稿者: mgpress