【なないろキッズ】 #17 「相談で問題解決」の経験

前回に続き、相談・交渉スキルの練習についてです。
小学3年生のAちゃんが、給食の献立表を見てため息をついています。明日の白身魚のフライが苦手で、前回出た時は残したら怒られると思って無理に食べたら吐きそうになり泣いてしまいました。お母さんはAちゃんに「残したいって言ってごらん」と言いますが、「ダメって言われるもん」と諦めています。
Aちゃんのクラス担任は、申し出があれば残してもよいと言ってくれる先生ですが、前の担任の厳しめの給食指導が頭に残っているAちゃんは不安なようです。そこでお母さんは、「お母さんからも頼んでおくから、自分でも言ってごらん」と言い、Aちゃんと話しながら、いつ先生に話しかけるか、どう言うかなどのマニュアルを作り、紙に書き出しました。
また、事前に先生に連絡を取ってあらましを伝え、Aちゃんにとっては他人に相談する練習になる良い機会なので、相談できたら快く受け入れてほしいと伝えると理解してくれました。
翌日、Aちゃんは休み時間にマニュアルを握りしめて、先生の机に行きました。「あのー、先生、相談したいことがあるんですけど…」
あらかじめ決めた通りのせりふを切り出すと、先生はにっこりほほ笑み、Aちゃんの話をゆっくり聞いて「わかったよ。吐いてしまうのが心配なら白身魚のフライは残してもいいよ」と言ってくれました。
こうした練習を重ねることで、相談の仕方を身に付けるだけでなく、相談すると困っていることが解決するという良い経験が積めるのです。