早春賦など作詞 吉丸一昌の生涯一冊に

愛唱歌「早春賦」や、大町市の大町高校(現大町岳陽高)校歌を作詞した国文学者、教育者の吉丸一昌(1873~1916年)の孫で、映像プロデューサーの昌昭さん(79、東京都調布市)が、初の著書「早春賦をつくった吉丸一昌我(わ)が祖父、その生き様(ざま)を探る」を、ほおずき書籍(長野市)から出版した。
吉丸は大分県海添村(現臼杵市)生まれ。東京音楽学校(現東京芸術大)教授時代に旧文部省による教科書「尋常小学唱歌」の編さん委員の作詞主任を務めた。東京帝国大(現東京大)在学中に私塾を開設し、苦学生の支援にも力を尽くした。
著書は、史料や関係者への取材を基に、一昌の生涯をひもといている。旧制熊本第五高(現熊本大)時代に教えを受けた夏目漱石とのエピソードや、剣道家として熱心にその歴史の研究に取り組んだ姿など、あまり知られていない側面にも光を当てた。
昌昭さんは小学校1年のころ、東京から三郷村(現安曇野市三郷)に移住し、大町高に進んだ。祖父が校歌を作詞したことは入学してから知ったという。
映像プロデューサーの傍ら、祖父の顕彰活動を長年行ってきた昌昭さん。県内や大分、熊本など祖父ゆかりの地で行った取材の費用はクラウドファンディングで募った。「作詞者や国文学者としてだけではなく、もう一歩踏み込んだ一昌のすごさを知ってほしい」と話す。
A5判、260ページ。税別2000円。県内の主要書店で販売している。
(大山博)

投稿者: mgpress