講師に塩尻の上間友輝君大人向け教室も 小1がプログラミング教室

「プログラミング教室」と聞くと難しそうでとっつきにくいイメージだが、3月21日に塩尻市内で開かれた教室はひと味違った。なんと講師が、プログラミング歴4カ月の小学1年生だったのだ。
集まった小学生16人、大人14人を前に、見事教室を運営したのは上間友輝君(7、広丘高出)。司会を務めながら、会場を小まめに回って使い方を助言。子どもたちから「楽しい」と言われるたびに目がキラキラと輝く。
特徴的だったのは、大人向けの教室を別室で同時に設けたこと。「子どもがプログラミングに熱中するためには、親の理解が不可欠」と考え、プログラミング教育の意義をプロのエンジニアが親たちに説いた。
7歳の情熱が周りの大人を動かし実現した、なんとも珍しいプログラミング教室を紹介する。

熱い思いが大人を動かし実現

上間友輝君
塩尻市・プログラミング教室を企画

仲間を作って楽しい教室に

「みんなでかなえるプログラミング教室~スクラッチ!ながので一番たのしい教室」。これが上間友輝君の教室のタイトルだ。
コンセプトは「応援しあえる『味方』に出会える!」。プログラミングの経験、未経験を問わずみんなで楽しみ、作品を見せ合い、「すごいね」「おもしろいね」と言える仲間を作ろうと開いた。
教室は子ども向けと大人向けの2講座。子どもは市民交流センターえんぱーく(大門一番町)のITCルームで、初心者向けプログラミングソフト「スクラッチ」を使ってゲームやアニメーションなどを作り、大人は隣の会議室でプログラミング教育の意義を学んだりスクラッチでゲームを作ったりした。
子どもの教室では友輝君が講師を務め、小5の兄直輝君(11)と安曇野市内でプログラミングを教える小高直樹さん(43、豊科)がサポート。
友輝君は会場を小まめに歩き回って、子どもたちにスクラッチの使い方を伝授。「このキャラクターをジャンプさせたらもっとおもしろくなるかもよ」など積極的にアイデアも提供。「とにかく楽しんでほしかった」と、一人一人の表情や様子に気を配った。
3時間の教室が終わると、緊張の糸がほぐれたのか友輝君はぐったり。それでも「『おもしろい』という声をたくさん聞けてうれしかった。夏か秋にまた開きたい」と充実感いっぱいの表情。友輝君の言葉足らずの部分を“通訳”となって見事に支えた直輝君も「よくがんばった」と弟をねぎらった。
一方、大人の教室では、松本、諏訪地方でプログラミング教室を主宰する濱田康さん(49、松本市岡田下岡田)が、「プログラミングは自分の個性や感性を生かし、ゼロからものを作り出す創造的な活動。生きる力をはぐくむ」などと説明。
小2と小4の子どもと来た小島勝彦さん(39、岡谷市)は、「人工知能時代を見据え、プログラミングに抵抗のない子に育てたいと参加した。2人ともすごく楽しそうで、これからは家族でやりたい」と話した。

体験会を機に企画書手作り

元々ものづくりが大好きな友輝君。家の中は段ボールや紙などで作った工作物でいっぱいだ。
スクラッチに出合ったのは昨年11月。諏訪地方のプログラミング体験会に参加した。それを機にゲームや動画作りにのめり込むのは珍しい話ではないが、その先に親もびっくりの展開が待っていた。
「こんなに楽しいものを知らずにいるのはもったいない。みんなに知ってほしい」と考えた友輝君は、すぐに教室を企画。企画書や告知のちらしを手書きで作り、両親に「先生を紹介してほしい」としつこく訴えた。
とまどう両親が、知り合いの小高さんに相談したところ「友輝君の熱い思いを大人が阻んではいけない。やりましょう」と「まさかの展開」(母親の春江さん)に。
兄弟と講師陣で企画会議を開き、誰のために、何のために、何を伝えるのか、内容を細かく検討。会場を確保し、大人たちがSNS(会員制交流サイト)で告知した。
父親の匠さん(40)は「一人の純粋な情熱が周囲を動かし、一つのものを作り上げる。この経験こそが友輝や直樹、そして我々大人が得た最大の宝」と話した。

(松尾尚久)

投稿者: mgpress