「松本フォーク村」9日で10周年 誰でもステージに 延べ2000組が参加

4月9日は、何の日? 4(フォー)と9(ク)でフォークソングの日!韓国家庭料理のミュージックコートHANA(松本市中央2)を拠点に活動する「松本フォーク村」はこの日、10周年を迎える。音楽好きが集い、プロもアマチュアも、その日集まった人が店内にあるステージに立つ企画を月2回続けてきた。1960~70年代に流行したフォークソングの世代に元気になってもらおうと始めたが、親に連れられた小学生から80代までと幅広く、延べ2000組ほどがステージに上がった。
中心になっているのが村長の設楽秀子さん(同市寿台)と同店オーナーで事務局の崔千晃(さいちあき)さん(58)。「よくここまで続いたね」と2人。9日には10周年記念の演奏をする。

松本フォーク村10周年
アットホームな雰囲気が魅力

ジャンル多彩自由に楽しむ

「松本フォーク村」227回目となった3月28日には、10人ほどが参加。ピアノとギターの即席ユニットが登場したり、サックスで「オネスティ」(ビリー・ジョエル)を披露する人がいたり。その様子を動画に録画する人、演奏に耳を傾ける人など、ゆったりした時間が流れる。
To─ru(ティーオール)として登場する林徹さん(57、松本市井川城)は2013年から参加している。フォーク村の活動を知り、約30年ぶりに人前でギターの弾き語りを再開した。「ここで歌うことが目標になった。楽しく演奏でき、ストレス発散にもなる。ここは自分のホームグラウンド」と笑う。
フォーク村は、原則毎月第2木曜日と第4火曜日に開催。1人もしくは1組の持ち時間は10分で、2曲を歌う。演奏するのはフォークだけではない。ジャズあり、クラシックあり、沖縄の三線(さんしん)の演奏、アカペラなど、ジャンルもさまざまだ。松本市を中心に、諏訪、木曽などから足を運ぶ人もいる。
ここで知り合った人がユニットを組んだり、出張で訪れたサラリーマンが、ギターを借りてステージに上がったり。「大人の仲間づくりの場になってます」と村長であり、アマチュアで演奏活動をしている設楽秀子さんは話す。

目指す音楽のバリアフリー

10年続いた理由は何なのか。同店オーナーで、演奏活動もしている崔千晃さんは「プロも参加するが、みんながプロを目指しているわけではない。年配から中学生まで、演奏のうまい、下手は関係なく、誰でも平等にステージに上がれるのがフォーク村の魅力。アットホームな雰囲気がいいのではないか」と分析する。
転勤や仕事の都合で来られなくなった人がいる半面、新しく顔を出す人がいる。プロとして活動するようになった人も。必要以上に干渉せず、ちょっと温かく迎える|。「音楽の深夜食堂かな」と崔さん。
今後、基本は特に変わらないとしながらも、「ここでしか演奏したことがないと言う人が半分以上。(アマチュアでも)大きなステージに立ってもらいたい。照明を浴びて、ホールで演奏してもらいたい」という思いはある。さらに、他の地域とのつながりを広げる夢もある。
東日本大震災後に、福島フォークソング協会とタイアップし、風評被害を払拭しようと全国を演奏して回っている夫婦ユニット「in the wind」と協力。フォーク村独自でチャリティーコンサートを開き、支援金を宮城県石巻市の小学校に届けに行った。2018年の豪雨被害を受けた岡山県にも支援した。「現地の被災状況を知ってもらいたい。歌で応援したい。その気持ちに変わりはない」と設楽さん。
障害のある人もない人も一緒に音楽を楽しみ、音楽の力で心のバリアフリーを目指す「とっておきの音楽祭」の松本開催も目標だ。2001年に仙台市で始まった同音楽祭は、岩手、栃木、東京、大阪など、全国20カ所に広がっている。「障害のある人もない人も一緒のステージに立ち、音楽だけでなくいろいろなパフォーマンスをすることで、手をさしのべ、思いを伝え合える関係ができる。そんな街にするためにもぜひやりたい」と崔さんは力を込める。

10周年の松本フォーク村は9日午後7時半から。入場、演奏は無料だが、飲食のオーダーが必要。

(八代けい子)

投稿者: mgpress