「松本つなぐ横丁」誕生 昭和の雰囲気演出 仕掛けた狙い聞く

隣り合った人と肩が触れ合ったり、意気投合したり─。小さな店が連なる「横丁」が各地で人気を集める中、松本市のJR松本駅前にもそんな雰囲気が味わえる「松本つなぐ横丁」が誕生した。松本バスターミナル南側、アルピコプラザホテルの1階約530平方メートルに12店が入り、昭和の雰囲気を醸し出す。
会社帰りのサラリーマンのグループ、若い女性の2人連れなどでわいわいがやがや。北海道から仕事仲間と来店した杉山太さん(52)は「いろいろなものが食べられていい。2店ははしごする予定」。
仕掛けたのは、たこ焼きなどの持ち帰り専門店「焼きたて屋」をフランチャイズ展開する「かめや」(原村)の亀原和成社長(52)。新たな事業展開の狙いと、今後の戦略などを聞いた。

“食の観光地”で街ににぎわい
亀原和成さんに聞く 松本つなぐ横丁運営会社社長

客同士が声掛け合う場に

「松本つなぐ横丁」を運営するのは、2月に設立された新会社「つなぐ」(塩尻市)。社長の亀原和成さんは高山村出身で、同村で両親がスーパーを経営。修業に出た諏訪のスーパーが、たこ焼きを販売し人気だったことから「チェーン店をつくりたい」と1989年に「かめや」を設立した。直営、フランチャイズを含め「焼きたて屋」、居酒屋チェーンの「タコとハイボール」計89店舗などを展開する亀原さんにとって「つなぐ」は新たな挑戦だ。その狙いは?

たこ焼き店のチェーンから「横丁」に発展させたのは?

たこ焼き店という仕事は、多くの人が憧れる分野ではないが、皆が喜ぶ仕組みづくりをしてきた。やる気さえあればオーナーになれる。経営者になる人をたくさん輩出しようと考えた。
直営店は17。何年か店長を経験し、会社の幹部として残るか、オーナーとして独立するか。現在オーナーは34人で、半分くらいが元社員。単価が低い分、2、3店舗を運営してもらうようにしている。
「つなぐ」を設立したのは「タコとハイボール」を運営する中で、小さい物件の生産性の高さ、効率の良さに着目し、こういう店舗を集めた場所があってもいいかなと考えたから。全体で集客できる施設があれば、面白いと思った。最初は5店の予定だったが、場所としての魅力があまりない。業態がかぶらないよう工夫し、全国のおいしいものが食べられる12店を集めた。

「つなぐ」の狙いは?

「つなぐ」には、人と人、地域と地域をつなぎ、松本を、日本を元気にしていこうという気持ちを込めた。
(クラフトビール製造の)松本ブルワリーの設立、クラフトビールを集めた「ビアフェス信州」開催など、これまでも地域活性化の企画を行ってきた。松本城や城下町以外の“食の観光地”をつくれば、さらに街に出る人、街に来る人が増えると思う。
昭和時代の横丁が改装されて人気が高まるなど、横丁ブームが起こる中、「つなぐ」は信州発の横丁を専門につくる会社。全国に50カ所を目安につくる予定だ。5年以内にマレーシア、シンガポールなどアジアにも進出しようと考えている。

「松本つなぐ横丁」の今後は?

松本を訪れた人が、地のものをおいしく食べられる場所があり、松本の人は札幌や福岡の店があることで、両方が喜ぶ。客同士が声を掛け合える空間を意図的につくり出したい。婚活イベントなど地域貢献にもつなげたい。将来は周辺ホテルと連携し、宿泊に横丁のチケットが付いたプランを売り出したい。

屋台形式で12店舗327席

「松本つなぐ横丁」を運営する「つなぐ」は、かめやと、物件情報サポート(経営サポート)が主力事業のG─Factory(東京都)、デザイン、施工のワークスゼロ(松本市、下諏訪町)、プロモーション、出店誘致を担当するスタイルプラス(塩尻市)、青野税理士事務所(茨城県)の5社が設立した。
串カツ、天ぷら、ジビエ(野生鳥獣肉)、焼き鳥、ギョーザなど屋台形式の12店舗が入る。各店の面積は20~30平方メートルで、合計327席。営業は午後5~12時。毎月第2、4火曜定休。
店内につけるオリジナルデザインの「My提灯(ちょうちん)」の購入希望者を募集している。赤、白など6色あり各1万円。同額分の横丁共通チケットがもらえる。
つなぐ℡0263・54・5444

(八代けい子)

投稿者: mgpress