表情豊か 人形101体 朝日美術館 89歳百瀬玲子さん作品展

朝日美術館(朝日村)は5月26日まで、89歳の現役人形作家、百瀬玲子さん(松本市大手)の創作人形展を開いている。伝統的な技法を使いつつ、表情や雰囲気もさまざまな101体がずらり。どこか懐かしく、温かみのある人形たちが、来場者を出迎えている。
百瀬さんが手掛けるのは御所人形や木彫木目込み人形などで、木を彫り、貝殻が原料の胡粉(ごふん)と呼ばれる顔料を塗って、時間をかけて丁寧に仕上げる。1体に2カ月ほどかかるが「そんなに年取ったと思ってないし、特別なことをしてるわけじゃないから」と自然体だ。
身近な人や動物、幼いころの自分の姿の他、歌や物語などからもイメージを広げ「自分が作りたいと思ったものを作っている」と百瀬さん。各国代表が原爆のキノコ雲を囲んで座る「平和会議」、あごが動く仕掛けの能面「翁」など同じ人の作品とは思えないほどバラエティー豊かだ。
鬼の子が風の袋に座ってロケットを捕まえる「風っこ」や、水浴びをする子が、たらいから出ようとする犬の尾を引っ張る「夏の日」など今にもしゃべったり、動きだしたりしそうな作品が並ぶ。
百瀬さんは武蔵野美術学園彫塑科を修了後、人形師の田中徳斎に師事。人形伝承者養成研修会で人間国宝らに学んだ。1997年に松本市芸術文化功労表彰を受け、現在は日本工芸会の正会員。
「ユリの花が咲いてるのを見て、籠に入れ、頭に乗せて運ぶ人の姿が浮かび、人形を作っている最中。そのうち、出来上がるわ」と創作意欲は衰えない。「作品を見て面白いと思ってくれればいいね」と笑顔を見せる。
同館のふれあいギャラリーで4月29日まで、百瀬さんが指導する松本創作人形の会の会員展も同時開催している。
午前9時~午後5時。休館日は4月15、22、30日と5月7、13、20日。大人300円、高校・大学生200円、小・中学生100円。同館電話0263・99・2359
(上條香代)

投稿者: mgpress