マッチレビュー 6節 山雅2-1神戸(6日・サンプロアルウィン) “らしさ”テーマに走り切る

「スター軍団」と呼ぶにふさわしい、内外のビッグネームがそろう神戸。元ドイツ代表のポドルスキこそ欠場したが、同じくW杯優勝メンバーで元スペイン代表のイニエスタやビジャ、日本代表の山口や西らがサンアルに。そのプレーを一目見ようとチケットは完売し、冷え込むナイトゲームとはいえ、場内は熱気に満ちた。
そんな強敵に対し、公式戦4連敗中の山雅は「“らしさ”を取り戻す」(反町監督)ことがテーマだった。個の能力ではなく、組織力でJ1で生き残らなければならない山雅にとって、結果が出ないことで自分たちのサッカーを見失い、疑心暗鬼が生じては目も当てられない。自分たちのスタイルに自信を持って戦い、嫌な空気を断ち切る必要があった。
そのスタイルとは、チームメートを信じることと、相手より1歩でも多く1秒でも速く走ること。それが表現されたのは、前半終了間際の2得点目の場面。セットプレーのリスタートから左に展開し、高橋が相手陣内深くまで持ち上がってゴール前へクロスを入れる。そこに飛び込んだのが飯田。
「(高橋が)突破すると思ったので、来ると思って走り込んだ所に良いボールが入ってきた」。走力と運動量で相手を上回り、互いを信じてクロスを上げ、ゴール前に飛び込んだからこそ生まれた決勝点。その一連の動きに、この日のテーマが凝縮されていた。
しかし神戸も、コンディション不良のビジャを前半途中で下げ、ウェリントンをピッチに送って後半以降に真価を見せる。「むしろ後半の方が怖かった」と橋内が話すように、湘南や福岡でも山雅の前に立ちふさがった大型ストライカーが、最前線において強さと高さで存在感を放つ。
後半30分に1点を返され、他にも危険な場面をいくつかつくりだされた。それでも山雅は好セーブを見せるGK守田を中心に、最終ラインの粘り強い守備でリードを保つ。押し込まれた時間帯も選手間で連係し、最後まで集中力を切らさなかった。
試合終了後、イニエスタは「自分たちは試合に入り込むことができなかった。今日は相手の方が、巡ってきたチャンスをうまく生かしたと思う」とコメントした。それも相手の良さを消し、自分たちの良さを発揮する“山雅らしさ”のたまものだったろう。
山雅は勝ち点7とし、前節から順位を2つ上げて12位に。次節(14日)は勝ち点9で8位の湘南と敵地で対戦する。
(フリーライター 多岐太宿)


投稿者: mgpress