「紫外線」正しい知識を 信大病院皮膚科木庭幸子准教授に聞く


曇りの日も対策が必要

レジャーや農作業などで外に出る機会が増えてきました。そんな時に気を付けたいのが「紫外線」です。日に当たることは体内でのビタミンD合成を助けるなど良い面もありますが、浴び過ぎは体に悪影響を及ぼすため正しい知識を身に付けて防ぐことが必要です。信州大学医学部付属病院皮膚科(松本市)の木庭幸子准教授に話を聞きました。
★紫外線の性質
紫外線は、波長の領域とそれに伴う性質によってA、B、Cの3つに分けられます。このうち現在地表に届くのはAとBで、人体に有害といわれているB領域紫外線(UV|B)は、皮膚の細胞のDNAを傷付け、皮膚がんの原因になるとも考えられています。
A領域紫外線(UV|A)はUV|Bに比べて影響は小さいですが、肌の奥深くまで浸透し、しみやしわの原因となるといわれています。
紫外線の強さを指標化した「UVインデックス」は、一般的に標高が1000メートル高くなると10~12%増加します。標高が高く日照時間が長めの中信エリアは、紫外線の影響を受けやすい地域といえます。2~10月は中程度以上の強さがあるので注意が必要です。
★紫外線の皮膚への影響
長年、日光を浴び続けていると、しみやしわ、人によっては良性や悪性の腫瘍が現れてきます。これを「光老化」と言います。光老化は、一度起きてしまうと自然には元には戻りません。
紫外線による肌のダメージは蓄積されていくので、子どもの時から継続して紫外線対策をすることが大切です。歯磨きのように習慣化することが望ましいです。
ビタミンDの観点から短時間の日光浴は効果的ですが、一般的な生活を送っている場合は、自然に浴びる量と食品からの摂取で十分足ります。ただ、過剰な紫外線防御はカルシウム不足のリスクがあります。
★紫外線対策
一番は紫外線を浴び過ぎないことです。屋外で行動するときは、できるだけ紫外線が強い午前10時~午後2時は避ける、活動に合わせて日傘の使用、帽子や長袖、手袋の着用、サングラスなどで防御することをお勧めします。顔など覆えない部位は、日焼け止め(サンスクリーン剤)を使うといいでしょう。
曇りの日も紫外線はゼロではないので、対策を忘れないでください。室内でも窓際や車の運転時などは注意が必要です。
★日焼け止めの選び方・使い方
商品に表示されている「SPF」(数字で30、50などの表示)はUV|B、「PA」(+から++++まで4段階)はUV|Aを防ぐ指標です。
洗濯物を干す、近くまで買い物に行くくらいならSPF10、PA+程度で十分。山登りや海水浴では50、+++~++++がいいでしょう。
クリーム、乳液、ジェル、スプレー、シート状などさまざまなタイプがあり、いずれも紫外線防止剤が配合されています。この防止剤には、少し白くなるけれど肌への負担が少ないといわれる紫外線散乱材(代表的な化合物の表示名称=酸化亜鉛、酸化チタン)と、白くならず防御力が高い半面、アレルギー反応を起こす人もいる紫外線吸収剤(同=メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなど)の2種類があります。
使う人の肌質や相性などで一概にどちらがいいとは言えないので、使用シーンや場所、使いやすさを考慮して、自分の肌に合ったものを選んでください。塗り方は、説明書に書かれた量をしっかり塗りましょう。首や耳など露出している部分も忘れず、丁寧にむらなく均一に伸ばします=図。
日焼け止めは皮膚の上にあって効果を発揮するので、汗をかいたりタオルなどで拭いたりしたときはすぐに重ね塗りするか、塗り直してください。通常の日焼け止めはせっけんなどで落とせるので、毎晩きちんと落としてください。耐水性の高いタイプの場合は、専用クレンジングやメーク落としで優しく洗うといいでしょう。
男性も忘れずに紫外線対策をしてください。
(青木尚美)


投稿者: mgpress