根の付いた花でブーケ 「プランツ・ギャザリング」花フェスタで紹介


25日から始まる「信州花フェスタ」で、「プランツ・ギャザリング」という花の植え方が紹介される。根の付いた花や葉を組み合わせて小さな花束をいくつか作り、器に植え込む技術だ。一見、フラワーアレンジメントのようだが、切り花の何倍も長持ちするのが最大の特徴。「マウントギャザリング」「ルーティーブーケ」などスタイルは数種類ある。
愛知県春日井市の青木英郎さん(67)が考案した技法で、それを習得した「ギャザリスト」は県内に5人いる。そのうち、白馬村北城で生花店を営む太田和子さん(68)と造園業の夫、勝さん(73)を訪ね、実際にギャザリングの技を見せてもらった。花フェスタでは、松本市波田の田中かおるさん(53)らと共に信州スカイパーク(松本・塩尻市)でワークショップも行う。

ギャザリストの太田さん夫妻に聞く(白馬村)

切り花より華やかで長持ちに

園芸指導の青木さん考案

「プランツ・ギャザリング」を考案した青木英郎さんは、ガーデニング技術を指導する工房を主宰。1999年、切り花でブーケを作っても長持ちしないことなどから、試行錯誤してこの技法を生み出した。ギャザリングの技を指導するだけでなく、「苗の品質が何より大切」とする。「良い花苗は絵画で言ったら絵の具。ギャザリストは画家。作品はアートだと思っている」と、今ではギャザリングを理解した生産者が全国に何人もいて、そこから入手した植物のみで作品を作る。

太田和子さんはインターネットでこの技法を知り、2017年から1年間、勝さんと共に青木さんの工房に通って指導を受けた。昨年の全国大会「プランツ・ギャザリング・バトル」にタッグを組み出場。アレンジ部門で金賞に輝いた。「賞状の代わりに金のスコップをもらった」と笑う。
和子さんが取材の日に作ってくれたのは、花に根が付いた「ルーティーブーケ」。まずギャザリング専用の苗を入手し、根を傷つけないよう注意しながら組み合わせる。ミニバラ、スパティフィラム、ジャスミン、カランコエなど11種類の根を洗い、組み合わせて束にした。根は、専用の毛糸のような柔らかいひもで巻いて一つにする。「ひもの間からも根が伸び、元気を保ちます」。水だけでも数カ月以上楽しめるが、花器にヤシの実チップを入れて植えることもできる。
勝さんは、苞(ほう)の部分が花に見えるアンスリウムに、キキョウランやスパティフィラムなどを取り合わせた。根をひもで軽く巻いて小さな束をいくつも作っては、全体を見ながら大きなガラスの容器に植え込んだ。
従来の寄せ植えと異なるのは、最初から全体の形を作り上げられること。寄せ植えの場合は、その後の成長を考慮し、株と株の間に隙間を取って植える。一方、ギャザリングは花の咲き具合や葉の大きさで全容をデザインし、束ねて植えるため、その後の形に大きな変化がなく長持ちする。1鉢に植え込める数も多くなり、華やかに作ることができるという。

信州花フェスタへの参加を仲間に呼びかけた田中かおるさんは、フラワーアレンジなどの「工房まとりかりあ」を主宰。昨年1年間、月1回以上青木さんの工房に通い、ギャザリストに認定された。「ギャザリングの魅力を大勢に知ってほしい」と太田さん夫妻、上田市、軽井沢町の仲間に呼びかけて実現した。
花フェスタ参加は、主会場の信州スカイパークで、25日が正午から、26日と6月15日午前9時半~午後5時、同16日は午前9時半~正午。初日は青木さんも駆け付ける。4日間ともワークショップがある。材料費込み3000円。予約優先。

(長田久美子)

投稿者: mgpress