アンジェラックスプランニング「働きがいのある会社」選出

松本市内の2店舗をはじめ、県内外に計6店のエステティックサロンを展開するアンジェラックスプランニング(本社・東京)が、民間会社が行っている2019年版「働きがいのある会社」女性ランキング・小規模部門(従業員25~99人)で2位に選ばれた。
1987年創業の同社が大杉一真・最高人事責任者(35)のもと、2交代制や時短勤務など働きやすい環境づくりを始めたのは2011年。同社のすごさは、そこから「働きがい」を高める工夫をしたこと。その結果、従業員の仕事への意識は高まり、離職率も低下。売上はこの8年で3倍に伸びた。
働き方改革関連法の施行が4月から順次始まった。「従業員30人の組織だからスピーディーに改革できた」と話す大杉さんと、生き生きと働く従業員を取材した。

従業員の人生をサポート
仕事を通して成長を感じる

20歳の時からアンジェラックスで働く巣山孝江さん(48、塩尻市大門一番町)は、会社の草創期から現在までを知るベテラン。長野、松本の両店で店長を務め、35歳で「(当時としては)当然のように」寿退社。子育てにいそしんだが、「仕事は自分を成長させる。子育てにも生きる」と42歳で復職した。
復職後は従業員指導などに従事し、2017年には新店舗の松本南店(並柳)の店長に。「時短勤務でもどんな仕事ができるのか、経営陣が一緒に考えてくれた。労使という上下の関係ではなく、互いの役割を果たそうとする対等な関係で、心強かった」と振り返る。
松本店(中央1)で働くエステティシャン、高橋絵里子さん(30、安曇野市明科)は入社当初、チームワークの重要性を理解できずに孤立していたという。辞職を願い出ると、当時経営の陣頭指揮を執っていた大杉一真さんが東京から何度もやってきて、腹を割って話し合った。
高橋さんは、会社からの期待を感じると同時に、仲間を認めることの大切さや、さまざまな個性を伸ばすことでチームが強くなることなどを知った。「仕事を通して人間的に成長させてもらっている」
エステ業界の大会で、全国で20人しか出場できない「エステティックグランプリ・技術部門」に出場するなど、高い意欲と技術を併せ持つ同社の戦力だ。

会社の危機で働き方を改革

アンジェラックスの転機は2010年。「精神論で突っ走る昔ながらの経営」(大杉さん)が影響し、従業員が何人も辞職する事態に。会社は倒産寸前に追い込まれた。
ここで当時社長で現会長の大杉京子さんが、息子でIT企業勤務の一真さんを経営陣に加え、改革を託す。大杉さんはまず、従業員数を増やし、長時間労働をなくすべく2交代制を導入。出産・育児休業や時短勤務、有給休暇取得など当たり前の環境を整えた。
その上で行ったのが、労使の信頼関係の構築。大杉さんは従業員に「どんな人生を送りたいのか考えて」と呼び掛け、ファイナンシャルプランナーを交えて「生きる」をテーマにした社内講座を開講。年金や税金、子育て費用のことなど、生きていく上で必要な知恵を伝授し、主体的な人生設計を推奨した。
「会社はあなたの人生をサポートする」と約束し、自ら従業員と何度も面談。その上で「お客さまのために頑張って」と伝えると、従業員の姿勢は変わった。
キャリア形成を主体的に考えるようになった従業員は、仲間の出産、子育てなどのライフプランも受け止め、支え合うように。「産後復帰した時のためにこの力を付けたい」など、課題に挑戦する機運が生まれ、サービスや技術が飛躍的に向上。松本店はエステティックグランプリの顧客満足サロン部門で16、17年に全国1位となった。
成果は雇用にも現れた。サービス業の深刻な人手不足が叫ばれる中、同社は大学卒業者も門をたたく。昨年は経済誌フォーブスが行った「フォーブス・ジャパン・ウーマン・アワード」従業員300人未満の部で5位になった。
「働くことが人生の喜びと一致する、そういう職場を作った成果」と大杉さん。「家族のような従業員たちと一緒に、新たな価値を世の中に提供していきたい」と力を込めた。
(松尾尚久)

【「働きがいのある会社」ランキング】
世界約60か国で「働きがいのある会社」を研究する「グレート・プレイス・トゥー・ワーク(GPTW)」の日本法人が07年から実施。従業員数別に大、中、小規模の各部門がある。エントリー方式で、世界共通のアンケート項目と従業員、会社双方の評価に基づき、一定レベルを超えた会社を「ベストカンパニー」として表彰。
17年、特に女性の働きがいに優れた企業を表彰する「働きがいのある会社」女性ランキングを設け、ベストカンパニーの中から各部門上位5社を選出。
19年版の発表は2月、450社がエントリー。アンジェラックスは、働きがいのある会社のベストカンパニー(13位)にも選ばれた。

投稿者: mgpress