子どもの異変に気付くには

新学期が始まって1カ月余。進学・進級などで環境が変わり、悩みやストレスを抱える子どももいます。そうした子どもの心の異変にいち早く気付き、深刻化させないために保護者らはどのようにすればいいのでしょうか。日頃から相談を受けている松本市子どもの権利相談室「こころの鈴」の塚原文子室長と相談員に、家庭でできることを聞きました。

★相談の状況
こころの鈴を開設した2013年度の相談件数は延べ170件(実数56件)。15年度以降増加の傾向で、18年度は延べ695件(同161件)、月別実数では5月が最も多く、相談内容の上位は「交友関係」「心身の悩み」などです。
新1年生や進級した子どもたちは、4月は新しい環境に適応しようとどうにか頑張っている時期で、5月になると悩みや問題が表面化する傾向にあります。相談内容は年齢によって異なりますが、小中学生で多いのは「グループに入れない」「友達ができない」「無視された」「友達の悪口を聞いてしまった」など。高校生は「部活をやめたいけど、チームスポーツで迷惑が掛かるのでどうしたらいいか」「進路について親と意見が合わない」「テストの点数が下がり、自分には価値がない」といった相談があります。
★異変の見つけ方
子どもが悩んでいる、ストレスを抱えているといったサインをキャッチするには、日頃から親が子どもをよく見て、変化に敏感でいることです。
悩みや困り事を自分から話してくれればいいのですが、低学年だとうまく説明できなかったり、思春期の子どもは親に心配を掛けたくない、知られたくないといったことから言わないケースも。だからこそ保護者は、いつもと違う様子がないか気に掛け、感じ取ろうとしてほしいです。
「様子を見る」以外に、1日5分でいいので、子どもと1対1の時間をつくって会話をするのもお勧めです。2人で買い物に行き、行き帰りの車の中で何げない会話をするのもいいでしょう。
このとき大切なのは、子どもの方から話してくるのを待つことです。心配故にあれこれ聞きたくなりますが、そこはぐっとこらえて。子どもが何も話さなくても、一緒の時間を過ごすことがいいのです。
時々、「何かあったら、どんなことでもいいから言ってね」と声を掛けておくこともお勧めします。わざわざ言わなくても子どもは分かっている、何かあれば言ってくると思いがちですが、言葉で伝えておくことが大切。そして、いざ子どもが話しかけてきたときにきちんと向き合えるよう、親は気持ちに余裕を持っていたいものです。
★どう関わればいいか
まずは子どもの話をじっくり聞くことです。話すことで自分が置かれている状況を整理できたり、見えてなかったことに気付いたり、勇気を出す後押しができたりして、自分自身で解決できる場合もあります。
親はこのとき、決して非難や決め付けた言い方をしないでください。子どもに寄り添い、思いにじっくり耳を傾け、しっかり受け止める。子どもの気持ちを考えながら、親なりの言葉を返すことで、子どもは肯定感や安心感、自信を持てると思います。
状況に応じて学校や相談機関に助けを求めることも必要です。
★大切なこと
子どもにとって学校は公共の場。自分では感じてなくても緊張しています。だから家ではゆっくり過ごし、自分らしくいられることで活力を蓄え、次の日も頑張れるのです。
だらけたりしているとつい小言を言いたくなりますが、「今は心と体を休めている時」と温かく見守りたいものです。

【こころの鈴】
市役所大手事務所2階にあり、相談員4人が面談と電話、メールで相談を受けている。対象は松本市に在住、通学、活動している0~18歳の子ども。18歳以上でも高校在学者などは対象となる。
相談は匿名でも対応し秘密は守る。虐待を除き、本人の了承なしに親や学校に内容を連絡することはない。受付時間は月~土曜午後1~6時(金曜のみ8時まで)。電話0120・200・195。kodomo-s@city.matsumoto.lg.jp
(丸山知鶴)

投稿者: mgpress