松本の山崎さん 生活の記録32冊寄贈

研究家島さんの収集・保存施設へ

松本市筑摩の山崎静雄さん(83)は5日、十数年にわたり書き続けている自身の日記を、筑北村坂北出身の女性史研究家、島利栄子さん(75)=千葉県八千代市=の実家を活用した日記の収集・保存施設に寄贈した。坂北出身の山崎さんは「いい預け先が決まり、ほっとした」と胸をなで下ろした。
島さんは「女性の日記から学ぶ会」の代表。施設は「日記の館1号館」の名で1年前に開館した。普通に生活する人々が日常をつづった日記を集めて保存すると同時に、時代背景などの研究の場、関心のある人たちの交流拠点とし、発表会を開くなど一般に開放している。
山崎さんは「ぼけ防止」にと日記を書き始めた。2005年7月8日付から18年8月2日付まで、A4サイズで6000枚余ある。長男からもらったパソコンを使い、子どものころから趣味にしていた写真を取り込んだ絵日記ならぬ「写真日記」だ。1枚につき、写真数点と600字程度の文章。家にいれば、その日の夕方から夜にまとめる。
内容は、妻の香さん(82)と約束している月1回の“お出掛け”の音楽会や美術展覧会、ツアー旅行などがあれば、庭の花が咲いたとか、帰省した家族のこととか、ズボンを3本買ったとか、日々のささいな出来事がほとんど。スキャナーでレシートやチケットなども取り込む。まさに「生活の記録」だ。
今冬、胃がんなどで入院し、日記の散逸を懸念。子どもたちも興味を持たなかったため、保管先を探していた。2月に坂北図書館で島さんの講演会があることを知り、興味を持って参加。島さんに「預かってもらえないか」と打診したところ、快諾を得た。
山崎さんは5日、クリアファイル32冊に収めた日記を香さんと共に施設に持ち込んだ。「こうやって暮らした一市民がいたことを知ってほしい」と公開も希望。島さんは「日記は身辺記録。写真付きなのが斬新で、貴重な作品になると思う」と話し、「来年には、日記展を開きましょう」と約束した。

投稿者: mgpress