高齢運転者の見守りサービス 重大事故を防ぐために

高齢運転者の交通事故が社会問題になっています。運転免許証を自主返納する人も増えていますが、「生活の足」のため踏み切れない人も多く、離れて暮らす家族は心配です。シニアの安全運転に向けて近年増えている見守りサービスや訓練アプリを調べ、ブレーキとアクセルの踏み間違いを防ぐための体操をスポーツトレーナーの古幡幸子さん(48、松本市)に聞きました。
車の急操作や運転時間などの情報を電子メールなどで家族に知らせ、注意喚起して事故を減らすことを目指すのが高齢運転者の見守りサービスです。
オリックス自動車の「あんしん運転EverDrive(エバードライブ)」は、専用機器を車に取り付けると速度超過や急ブレーキ、急加速、午後6時以降の夜間走行、連続2時間以上の長距離走行など事故リスクの高まる運転を検知して家族にメールで連絡。エンジンを切っていても、車両の現在位置が確認できる機能もあります。
月額2980円(以下税別)。松本市内の日産系の自動車販売店とオートアールズ梓川店などで扱う。問い合わせはオリックス自動車電話0120・16・1000
スマートドライブの「SmartDriveFamilies(ファミリーズ)」も、運転情報をパソコンやスマホなどで確認できます。特徴は車に付ける機器。車のアクセサリーソケット(シガーソケット)に差し込むだけという手軽さが売りです。月額2480円。
損害保険会社4社は、いずれも自動車保険に特約を付ける形でサービスを提供します=表。高機能のドライブレコーダーなどを定額でレンタルし、事故が起きた時の対応と安全運転の支援・診断、結果のレポート提供などをします。

高齢者の運転技能の確認・向上を目指すインターネットサービスでは、JAF(日本自動車連盟)が「エイジド・ドライバー総合応援サイト」を公開。視機能や認知能力のチェック、危険視認力などのトレーニングができるほか、専門家によるワンポイントアドバイスなども見られます。
また、JAF独自で50歳以上のベテランドライバーを対象に、運転基本操作を再確認する講習会を全国各地で開いており、長野県では10月5日、中南信運転免許センター(塩尻市)で行う予定です。
東北大学加齢医学研究所と仙台放送が、昨年開発したのは「ドライバーの運転技能向上トレーニング」アプリ。同研究所の川島隆太教授の脳科学研究成果などを基に、運転者の認知機能を高めて運転技能の維持、向上を図ります。
特許を取得済みで、今後、さまざまな業界、団体、企業と連携して実用化を目指すとしています。

足を鍛える運動
スポーツトレーナー古幡幸子さんに聞く

古幡さんが経営する「フィットネスジムライジング」(同市野溝東)の会員は、3分の2が60歳以上。「運転機能の維持には足を鍛えることが大切。日頃運動している人でも、足はよく動かせていない。足を思うように動かせないことが、ブレーキとアクセルの踏み間違いや運転操作の誤りにつながると感じている」と言います。
紹介する体操は、いすに座ったままできる3種類。いずれも片足10回ずつ3セット。できなければ3回ずつ3セットでもいい。
★太もも運動
(1)いすに浅く座って腰を立て、脚を引き上げて膝を固定する=写真右、(2)その状態からゆっくり膝下を蹴り上げる、下げる動きを繰り返す=写真左。
※脚を上げる際は必ず反対の脚の膝の上まで。蹴れなければ上げ下げだけでもいい。
★足首の左右動かし
床にかかとを付けて足指が上を向くように足首を曲げ、その状態から左右に交互に倒す。床側の側面が付くまでしっかり倒す。
★足首の前後動かし
足指を上に向け、床にかかとを付けたまま足首を上下に動かす。ふくらはぎを刺激するので脚のむくみにも効果的。

古畑さんは「無理な目標を掲げて挫折するより、思い出した時にやったり、楽にこなせる回数から始めて長続きさせましょう。カレンダーなどに目安を書き込むとやる気が出ます。足の可動範囲が広がると日常生活も楽しくなりますよ」。

(井出順子)


投稿者: mgpress