幼稚園・保育園に行きたくないと言われたら… 新年度1カ月半親子の格闘

新年度が始まり、1カ月半がたちました。幼稚園や保育園に通わせ始めたお母さんの中には、園に行きたがらない子どもと格闘している方もいるのではないでしょうか。大泣きする子、渋々手を引かれて行く子とさまざまですが、中には小さいながら行きたくない理由を言う子もいるようです。そんな子どものかわいい理由を集め、行きたくない時の対処法を幼児保育の専門家に聞きました。

子どものかわいい言い訳
太陽がまぶしいから!?

★お母さんに聞きました。わが子が言った「今日行きたくない理由」
「太陽がまぶしいから」。君はモグラか…。(松本市今井、A・Mさん)
「ぼく、小さくなっちゃったから」。大きくなったら幼稚園だよ、と言い聞かせていたからかな?(松本市笹賀、N・Rさん)
「寝たくないから」。部屋を暗くして、暗い音楽が流れるお昼寝の時間が嫌だそうです。(松本市高宮、I・Yさん)
「幼稚園の屋根の色がイヤ」。私が塗り直そうかと思いました。(安曇野市穂高、S・Kさん)
「園長先生の顔がイヤ」。同じくS・Kさん。心配して出てきた園長先生の前での発言。穴があったら入りたかった。
わざとせきこんで、「せきが出るから休む」。(松本市征矢野、M・Mさん)
プールが始まると、「シャワーがこわいから」(松本市高宮、Z・Tさん)
「なんかお部屋が気持ち悪いからイヤ!プラレールもないからイヤー!」(松本市村井、Y・Tさん)
かく言ううちの子も、「牛乳が冷たすぎるから」「先生が抱っこしてくれないから」と日々いろんな理由を挙げました。

心理は「母親といたい」
松本短大の内藤教授に対処法を聞く

つい笑ってしまうような言い訳ですが、お母さんにとっては毎日どう言いなだめて連れて行くかは悩みの種です。すんなり行く子を見て、「なんでうちの子だけ」「育て方がいけなかったのか」と不安になるお母さんもいるはずです。園に行きたくないと言う子の心理や対応の仕方について、松本短期大学幼児保育学科教授の内藤美智子さん(65)に聞きました。

Q園に行きたくないと言う子に困っているお母さんがいますが|。
A入園して、今までずっと一緒だった母親から離れるのは、子どもにとって大きな変化です。母親が仕事を始めて、朝の生活ペースが変わればなおさら不安。行きたくないと言ったり泣いたりするのは当たり前、泣いてみっともないなんて思わないでください。心配ありません。

Qさまざまな理由を言う子どもの心理は?
Aよくここまで難癖をつけて、大したものです。でもどんな理由を言おうと根本は同じ。「お母さんとまだずっと一緒にいたいよ」と言っているのです。理由を言うのは、裏返せば自分を守る知恵、生きる知恵です。

Q具体的に、どのような声かけや対応をすればよいのでしょうか?
A言ってはいけないのは、「早くしなさい」「忙しいの」などとせかす言葉。「泣いちゃだめよ」と諭すのも逆効果です。大事なのは、ぎゅっと抱きしめてあげること。「泣いちゃうほどつらいんだね」と子どもの気持ちに寄り添うこと。そして、「園にはお母さんの大好きな先生がいるよ」「おやつは何かな」など園での楽しい話をしましょう。
預けるときは、「泣いているのに大丈夫かしら」などと思うと、親の不安が子どもに伝わります。「お母さんも仕事がんばって〇時に迎えに来るから、〇〇ちゃんもがんばって」と言えるくらいになれればいいですね。

Q子どもが帰ってきてからは、どう接するのがいいでしょうか?
Aお母さんは笑顔で迎えに行き、どんどん抱っこする。一緒におやつを食べたり、お風呂に入ったりしながら、園での楽しかったことを話しましょう。

Qほかに大切なことはありますか?
A子どもの様子を園の先生と情報共有し、いい関係をつくることも大事です。お母さんが先生と楽しく話す姿を見て、子どもは先生に信頼を持ちます。また、悩みは一人で抱え込まずに、ママ友でも祖父母でも誰かに話しましょう。今行きたがらない子も、園に自分の居場所が見つけられれば、楽しく行けるようになります。居場所は、お母さんに代わる先生だったり、お友達だったり。それまでゆっくり付き合いましょう。

子どもにとって新しい体験は不安につながる。これは入園だけでなく、進級や入学にも言えることだそうです。
最後に、内藤さんから励ましの言葉をもらいました。「どの子も家庭から集団へと一つ階段を上ることに一生懸命頑張っていて、すぐできる子もいれば、時間がかかる子もいる。でもみんな乗り越える力を持っていて、その先に成長があります。子育てには見守る余裕が必要です。『急がば回れ』ですよ」。まずは、朝「早く早く」と言わない。私もそこから始めようと思います。

(梅田和恵)


投稿者: mgpress