【なないろキッズ】 #21 見通しを伝えて不安軽減

手順書の3回目は、初めてのことや、たまの出来事の「見通し」を伝える方法についてお話しします。
自閉特性のある方は、経験が少なく見通しがつかないことに臨むときに、その場の状況に応じて行動するのに苦労しがちで、やる前から怖がったり緊張し過ぎたり、拒否したりすることがしばしばあります。具体的に何を、どれだけ、どうすればいいかという見通しを伝えておくことで、そうした不安を軽減し、心の準備を整えて、スムーズに行動しやすくなります。
例えば病院を受診する時。何をされるか分からないと思うと不安が募り、病院に行くこと自体を拒否することがあります。こういう時に具体的な見通しを伝える手順書=図=を書いて伝えることで、先々のイメージが持てるようになり、スムーズに行動しやすくなるのです。
また、手順書を見ながら、どういうことが心配かとか、待ち時間に何をするかといった行程ごとの具体的な相談や交渉もでき、その場になって急にパニックになるのを回避することにもつながります。「注射」など嫌なことがあっても、「痛いのは5秒間だけ」と具体的に伝えて、終わったらご褒美などの楽しみもセットにすることで、納得して臨みやすくなります。
他にも、学校行事、親の用事に連れて行く、旅行などのたまの予定はもちろん、学校の日課、休日のちょっとしたお出掛けなど日常的なことでも、手順書を書いて見せることで、安心してスムーズに行動できることが増えます。気軽にやってみてください。