終活カウンセラー・後藤美恵さんに聞くーエンディングノートのすすめ

人生の終わりに向けた活動「終活」の一つで、初めの一歩といわれる「エンディングノート」。自分に万が一のことがあった際に備えて、残される遺族のために伝えるべきこと、伝えたいことを書き記しておくものです。書く意義やポイントなどを、保険代理店アクセス(塩尻市広丘吉田)の終活カウンセラー、後藤美恵さん(48、同市)が講師を務めたゼミナールからまとめました。
★終活とは
お葬式やお墓の準備なども大事ですが、ちょっと見方を変えてみましょう。終活とは「人生の終わりを見つめ、今をより良く、自分らしく生きる」こと。
キーワードは、▽自分と向き合い、自分の思いに気付く▽大切な人に送るメッセージ▽今、これからを生きる活動|の3つ。それらを書き記したものがエンディングノートです。
★ノートの構成
いろいろな種類があり自分で好きに作ることもできますが、次の5項目は書くことをお勧めします。
【私について。人生の“棚おろし”】生まれてから小学校入学まで、小・中学校時代など、ある期間に分けて思い出や出来事、エピソード、お世話になった人などを書き出します。自分を見つめるために必要なので、じっくりと向き合ってください。
【身体について。健康、介護、延命治療への思い】書いておくべきなのが「病気の告知・延命治療」についてです。余命や病名を知りたいか、延命治療は自分の意思か家族の判断に任せるか、尊厳死を希望するか…。
残された家族が迷わないためにも大切です。
【財産】預貯金や年金、保険、不動産など今ある財産の明細を記録します。項目ごとに整理することで漠然としていた数字が明らかになり、残りの人生の生き方を考えるきっかけにもなります。
相続の心配や不安、家族との関係性などを明記しておいてもいいでしょう。
【葬儀とお墓】葬儀は死の集大成。自身でプロデュースしていいのです。葬儀会場や葬儀社、宗派、喪主などの希望があれば記しておきます。規模や費用を書くのもいいです。あの世にお金は持っていけません。有効に活用しましょう。
【大切な人へのメッセージ】大切な人なのに普段は口にできない、しにくいといったことは多々あります。でも、きちんと言葉で伝えないと本当の気持ちは届きません。正直な思いを書きましょう。
★ポイント
エンディングノートは思いをつづる「ラブレター」。家族に残すツールです。何度、書き直しても構いません。書いたら置き場所とともに家族に伝えることも忘れないでください。
今どうしても読まれたくないページは、封筒に入れて挟んでおくといいです。
また、ノート作りは元気なうちに始めてほしいです。字が書けるというのは健康の証し。病気や事故、認知症などで、いつ自分の思いと体が一致しなくなるとも限りません。早ければ早い方がいいと思います。
エンディングノートを書くことで、自分の考えが整理され、明確になります。「これからこんなことをしたい」という素直な自分を発見でき、不安が解消する場合もあるでしょう。

後藤さんのノート
書くことで気付く
「人に伝えるならまずは自分で|と2年前にエンディングノートを書きました。じっくり考え、文章にすることで仕事の不安が解消され、何事にも前向きになりました。なぜもっと早く書かなかったのかと…。
中でも、悩んだことや大切な人との出会い、人生の分岐点になったことなどを振り返る『人生の棚おろし』欄が一番のポイントでした。教室の花瓶の水替え、初めて家族に作った焼きそば…。場面場面を思い出して書き進めたら、自分は昔から人の役に立つことにやりがいを感じていたことに気付きました。
その気付きによって目線を変えることができ、今の自分に間違いはないと自信が持てました。ノートは人生をよりよく生きるためのもの。一人でも多くの人に書いてほしいです」


投稿者: mgpress