意気込みや子どもへの思い 池田町教育長の竹内さんに聞く モデルになる「学び」を


池田町の教育長に1月から、竹内延彦さん(52)が就任しました。不登校の子どもの支援などに携わり、前職は県次世代サポート課で「信州型自然保育(信州やまほいく)」制度に取り組んでいたという異色の経歴。教育長としての意気込みや子どもへの思いを聞きました。
竹内さんは東御市出身。大学と大学院で臨床心理学を学び、在学中からフリースクールに携わります。大学院修了後もフリースクールのスタッフとして勤務。そこで出会った子どもや若者たちの問題や悩みを聞くうちに、自分の価値観が根底から崩れるようなショックを受けます。
自身の中学、高校時代を振り返ってみると、似たような経験があったと気が付いたのです。「不登校になったことはないのですが、今日は学校行くのが嫌だなと思う日が多々あったんですよね。不登校予備軍だったんだと思います」と竹内さん。同じような問題は、どんな子にも起こりうることではないかと思い始めたと言います。
その後、不登校や高校中退の若者を受け入れる施設などに携わり、幼児からの教育に興味を持ち始めたところに、阿部守一県知事と出会い、県に転職し、次世代サポート課で仕事を始めました。
それから8年間、自然保育を通じて、幼児期からの学びが大切だと考えるようになった竹内さん。池田町の教育長にという依頼を受けて「1期3年でどれだけのことができるか分かりませんが、今までの集大成のつもりで精いっぱいやりたい。公立学校でもここまでできるんだと、池田町がモデルになれるようにしたい」と話します。

今と未来の教育を語る
お母さんと座談会

竹内教育長と、1歳から20歳までさまざまな年齢の子どもを持つ池田町や安曇野市のお母さん7人で、今と未来の教育について語る座談会を6月に行いました。
お母さん側の意見としては▽時代は変化しているのに教科書や教えるスタイルが昔と変わらないことにびっくり▽子どもの自主性を引き出す教育にしてほしい▽プレイパークなどで、地域の人々と関わり、ワクワクしながら自然や伝統を大切にすることを学べば、大人になって地元に戻ったり、自分の未来に希望が持てたりするのではないか|といった意見が出ました。
いじめに対応するために、▽スクールコーチ的な立場の方を入れてほしい▽個性や特技を尊重し、人と違うことは良いことだと教える教育であってほしい|という願いが出され、互いに「そうそう」と共感していました。
そういった声に対し、竹内教育長は町で取り組もうとしていることを説明してくれました。
池田町は2023年度までの次期教育大綱として、0~15歳の「保小中一体」の学校づくりを公立学校で目指すことを表明しています。「学校に子どもを合わせるのではなく、学校を子どもに合わせなくてはいけない」と竹内さん。学校でも図書館でも美術館でも、町中どこでも学べるような仕組みができたらいいと思っているそうです。「学習意欲を持ち、自分で課題を見つけて学ぶ」「自分で決める、という体験の積み重ね」を地域の方々と共有して、未来を切り開く子どもの成長につながればとのことでした。
座談会は、互いの熱意を感じた会になりました。どういう教育がいいか、現役のお母さんと意見交換しながら作り上げていけたら素晴らしいことだと思います。半面、悩みや問題を抱え、なかなか人の前で意見を言えないお母さんの声も取り上げてほしいな、とも感じました。

◇座談会に参加した人の感想

★すてきな方が池田町に来てくれたのだなぁと思いました。実現したら楽しい、できたらすごいと思いました。(矢口結以さん、34、池田町)
★(発達障害の可能性がある)グレーゾーンといわれる子どもたちへの支援は、よりスムーズにいくのではないかな、と期待しています。(青山裕子さん、45歳、同)
★子どもたちの幸せな未来のために、環境を整え、親も学びたいです。(杉山清香さん、33、同)
★自分が感じたり、こうなったらいいなと思うことを、他のお母さんも同じように思っていることが分かってよかったです。(吉田美穂さん、46、安曇野市穂高)
★教育について語る場ってなかなか無いので、皆さんの意見や考えを知るとても素晴らしい機会でした!!(黒岩良枝さん、37、同)
★長いスパンで教育を描くプランは、子どもたちの生きる力を育むのに大変重要だと思いました。(林裕美さん、50、同)(桜井一恵)


投稿者: mgpress