【なないろキッズ】 #24 極端な偏食段階的に対応

自閉スペクトラムのお子さんの中には、とても極端な偏食があり苦労されることがあります。自閉のお子さんの偏食は、感覚の偏りの強さと恐怖・不安から身を守ろうとする特性から起きているということを理解して、ゆっくり段階的に対応していくことが大切です。
Aちゃんは離乳食を始めても何も食べてくれず、1歳半検診の頃はまだミルクがメイン。食べられるものは食パンの白い部分とバナナ、目玉焼きの白身と赤ちゃんせんべいだけでした。
お母さんも一生懸命工夫して作って食べさせようとしているのですが、何を作っても食べてくれず「一口でも」と何とか食べさせようとすると、Aちゃんも泣いて怒ってせっかく作った食事を投げてしまうのです。お母さんも食事のたびに泣けてしまい、子育てがつらくなっていました。
健診の時に相談すると「白い食べ物だと安心なのかな?触感は柔らかいもの、ぱさぱさしたものなど結構いろいろ食べられているね」「パンは炭水化物、バナナはカリウムと食物繊維、卵はタンパク質、赤ちゃんせんべいは野菜が配合してあるよ。いろんな栄養が取れてるね!無理強いすると余計にかたくなに拒否するようになるから、ゆっくりゆっくり食べられるものを増やしていけば大丈夫!」と言われました。こんなことで本当に本当に大丈夫なの?ただただびっくりしたそうです。
日々の食生活を支える親御さんにとっては、経験したことのない人には理解しにくい想像を絶する苦労があります。事情を知らないのに「親が甘い対応をしているからだ」「手を抜いているのではないか?」などといった偏見を抱かないようにお願いしたいものです。