松本の学校給食がすごい! 給食センターに聞くおいしさの秘密

松本市の小中学生のお父さんお母さん、子どもが「学校の給食がおいしい!」と言いませんか?聞くところによると、どうやら「だし」がすごいらしい。アレルギー対応食も進んでいて、東京からわざわざ松本に移住した人にも会いました。学校給食を作っているところを見たい!おいしさの秘密を知りたい!との思いで、給食センターに行きました。

考え抜かれた調理工程

東部学校給食センター(同市原)で、センター長の三沢伸和さん(56)、栄養士の木村みちよさん(49)、アレルギー担当栄養士の降旗美樹さん(28)に話を聞きました。ここでは栄養士5人、調理員62人、事務員5人が働き、小中学校18校7800食(3コース別メニュー)を毎日作っています。
◆おいしさの秘密(1)この上なくぜいたくな“だし”
味付けの基本となるだし。給食センターでは、すまし汁には花かつお、みそ汁には煮干しのだしを、毎日丁寧に取っています。煮干しは、生臭くならないようにと頭とはらわたを調理員が手作業で取っています。洋風スープには、冷凍の国産鶏ガラスープを使っているそう。「自宅ではとても毎日は取れないほど、この上なくぜいたくなだしです」と木村さん。
◆おいしさの秘密(2)地元産の野菜を生のようにおいしく
野菜はすべて国産。できるだけ地元産、県産のものを使います。100キロのニンジンの両端を切って、スライサーで皮をむく、白菜の芯を取り除くといった下処理はすべて手作業。葉物野菜は手で2回洗い、さらにジェット洗浄の機械で洗います。
衛生面から生の野菜は出せません。サラダやあえ物は生野菜のように冷たくおいしく食べられるように、ぐらぐら煮立つ熱湯にさっと入れ、荒熱を取った後、粒氷がたくさん入った水槽で10度以下にします。専用の冷蔵庫で冷やしておき、あえてから2時間以内に口に入るように逆算して調理します。
◆おいしさの秘密(3)蒸気で調理、松本産コシヒカリを使った麦飯
肉や魚もほとんどが国産です。直径1・5メートルほどの大きな鍋で炒め物もするので、まんべんなく火が通るように熱源は水蒸気を使っています。揚げ物、焼き物、蒸し物は、中心温度が85度以上になるようにチェックします。ご飯は、松本産コシヒカリに麦を5%入れたもので、白米よりもビタミンB群と食物繊維が取れます。
◆おいしさの秘密(4)調理員のプロ意識、チームワークが鍵
午前8時半の調理開始から返却された食器の洗浄まで、ほとんど休みなく続く立ち仕事。大量のひき肉がだまにならないように、大きなスコップで素早く炒めたり、20人分が入るひしゃくで缶に盛り入れたりと重労働で、全員の動きに無駄がありません。「1人でも休むと大変。健康管理に気を遣い、調理員一人一人がプロ意識を持ち、助け合って働いている」と木村さんは言います。子育て中のお母さんも多く、自分が作った給食の感想を子どもに聞き、メニューや味付けに反映することもあるそうです。

給食を楽しい思い出に

◆アレルギー対応食がすごい!
松本市では20年前からアレルギー対応食を始め、現在は187人分を提供しています。事前にアレルギーがある子どもと親、栄養士、学校の先生が面談し、1カ月前に献立を作り、確認を取ってから給食が始まります。
給食センターには、アレルギー対応食専用の調理室があり、専任の栄養士と調理員が作っています。対応しているアレルゲンの種類は30種類以上。ホウレンソウ、タマネギ、モヤシ、キュウリなどの一般的な食材にもアレルギーがあるそうです。一人一人アレルギー物質が違うので、混入しないように、お皿の配置、盛り付けの順番、ふたをするなど、細心の注意を払います。降旗さんは「毎日違うので、チェックにチェックを重ねています」。
「ほかの子たちと同じに見えるように」との思いから、かきたま汁の時、卵が食べられない子には、白菜の黄色の部分を細かく刻んで卵のように見せたり、豆板醤(とうばんじゃん)が食べられない子には、ニンジンをすりおろしてペーストにして似せたり。作り手の優しさがにじみ出ています。「調理員からたくさんアイデアをもらいます。日々勉強です」と降旗さん。

栄養士と調理員の皆さんが一番うれしいのは、「午後、丸缶が空っぽになって返ってくる時」。給食にはたくさんの工夫、優しさが込められていると感じました。「給食が楽しい思い出になりますように」。センターの皆さんの願いです。

木曽町・安曇野市
個性光る「ご当地給食」

給食がすごい!のは松本市だけではありません。地元の食材や味を生かしたメニューがたくさん。木曽町と安曇野市の「ご当地給食」を紹介します。
★木曽町中学校の「すんきチャーハン」
木曽地域に昔から伝わる郷土食「すんき」。健康食としても話題となっていて、赤カブの茎と葉を塩を使わずに漬けた乳酸発酵の漬物です。木曽町中学校では10年ほど前から毎年、生徒会活動として生徒たちがすんきを作ります。それを使い、給食で「すんきチャーハン」を提供します。チャーハンにすることで独特の酸味も和らぎ食べやすくなるそう。すんきが苦手な子も「友達が作ったすんきを使っているなら」と苦手克服のきっかけにもなっているとか。
★安曇野市北部給食センター「わさびコロッケ」
安曇野といえば、ワサビの名産地。この名産品を使ってご当地メニューを開発したのが安曇野市栄養士会。ワサビは辛いというイメージですが、2004年に辛くない子どもたちが大喜びなコロッケが開発されました。その名も「わさびコロッケ」!材料は、ジャガイモ、豚肉、タマネギ、そして茎ワサビ。すべて安曇野産にこだわります。
同時に「わさびコロッケ」のキャラクターを児童、生徒から募集。選ばれたキャラクターを春巻きの皮に印刷をしてコロッケの上に張り付けます。3年に一度の募集だそうで、現在は「わさっコ」。地産地消であり、子どもたちも参加型メニューは大人気です!
(梅田和恵)


投稿者: mgpress