プロボウラー目指す三児の母・関口実穂さん 25歳夢に向かい挑戦

松本市島内出身のボウリング選手・関口実穂さん(25、上田市)は、アマチュア個人戦の最高峰とされるNHK杯全日本選抜選手権(5月・埼玉県)にも出場した、県内屈指の実力者だ。若くして3人の娘のママでもある実穂さんが目指すのは、幼い頃から夢見るプロボウラー。母親業と二足のわらじを履き、ボールを投げ続ける。
競技を始めたのは、ボウリング好きの父親に連れられてプレーした小学3年生の時。「プロになりたい」と、アルピコボウル城山(現アピナボウル松本城山店=松本市蟻ケ崎1)のジュニア教室に入り、元日本代表で現在はプロ選手の浅田梨奈さん(28、同市波田出身)らと一緒に腕を磨いた。
高校3年時の国体で7位入賞。当時ボウリングの名門だった名古屋産業大へ推薦で入学し、全国新人大会(個人)で優勝。1年生ながら団体戦のメンバーに選ばれ、全日本大学選手権優勝にも貢献した。
アベレージ(平均スコア)200以上と充実していたその頃、妊娠が判明する。「大事な試合を控えていたし正直、残念な気持ちはあった。でも、授かった命を優先しようと思った」と、退学して結婚、育児に専念することに。同大ボウリング部の林伸治監督(43)は「期待の新人だった。彼女がいてくれたら、と思うこともあった」と振り返る。
長女を出産し、続いて次女も誕生。ボウリングから離れた生活が続き、夢を諦めかけたが、「ずっと頑張ってきたんだから、プロになろう」と背中を強く押したのが、現在のパートナーで三女の父親でもある匡史さん(44)。アマチュアだが実穂さんとペアで試合に出ることもあり、独学で指導法を学んで実穂さんに助言するなど、監督のような存在だ。
2年前に全日本ボウリング協会(JBC)に選手登録し、競技を再開した。会社員の匡史さんは仕事で朝早く出て夜遅く帰宅するため、3人の子どもの面倒は主に実穂さんが見る。家事と週5日のパートもあるが、1、2週間に1日はなんとか時間をつくって練習する。
レーンに塗られたオイルの量など、コンディションが成績を左右することもあり、全国各地のボウリング場で練習したり、試合したりするようにもしている。しかし、連れて行った子どもたちが飽きたり、ベビーカーから“脱走”したりで集中できず、「一緒に練習した浅田プロは、今では雲の上の人」と、もどかしさも募る。
産後に体形が変わり、「体力や筋力も落ちた」と言うが、最近の実穂さんの練習を見たジュニア時代のコーチ藤澤淳二プロ(74、松本市中央1)は「以前と同様のパワーは健在」と励ます。
アマチュアで好成績を挙げると、プロテストの1次試験が免除されるほか、上位になればスポンサーが付いたり、プロになった後の仕事量も多いという。「国体など大きな大会に出場し、経験と実績を積んで備えたい。30代で合格したい」と実穂さん。その決意は揺るがない。

(嶋田夕子)


投稿者: mgpress