そばとフレンチの出合い

9月25日ラトリエスズキでコラボディナー

そばとフレンチ料理が出合うと、どうなるのか―。新しい味を生み出そうと、フレンチレストラン「ラトリエスズキ」(松本市大手4)のオーナーシェフ、鈴木基之さん(50)と「そば処(どころ)木鶏」(山形村)の店主、塙(はなわ)和貴さん(37)がタッグを組んだ。塙さんが打ったそばを、鈴木さんが料理し、コースに仕上げるというコラボレーションだ。
かつおだしのつゆにバジルソースを合わせる―など、2人の想像力と創造力が、これまでにない料理を生む。店もジャンルも超えた料理人同士のチャレンジは、互いに刺激になるという。ベースの異なる料理が、どんな味わいを生み出すか。コラボディナーは25日。「食べた人に笑顔になってもらいたい」という2人の思いを重ねた料理が楽しみだ。

初めての試み 想像力と創造力で新しい味を

25日に「ラトリエスズキ」で開く、コラボディナーのメニューは5品。茶巾そばのフレンチ風、かつおだしとアミエビとトマトのスープ、そば巻きハンバーグ、そばのパスタ仕立て安曇野のタマネギソース、揚げそばがきのカスタードソースの予定だ。
ハンバーグは豚肉を使い、かつおだしのかけつゆをあんかけにし、その上からバジルソースをかけた逸品。幅10センチと、まるでラザニアのようなそばで、豚肉を包む。かつおだしのうま味、そばの風味、そしてバジルソースのおいしさ…。「そばの風味が消されるのではないか」といった不安は、見事に裏切られた。
同店オーナーの鈴木基之さんと、木鶏の塙和貴さんのコラボのきっかけは、今年1月、信毎メディアガーデン(松本市中央2)内の飲食店、松本てらすとそば処木鶏のコラボイベントだ。この日は十四豚(ジューシーポーク)のつみれつけ蕎麦(そば)を提供。食事に来た鈴木さんが、「コラボしようよ」と塙さんに声をかけた。「ほかのジャンルの料理とのコラボは初めて。自分の刺激にもなるし、面白い料理を提供したら、楽しんでもらえるのではないか」と鈴木さん。塙さんも「フランス料理のシェフと一緒に料理を作り込むのは、とても勉強になりそう。お客さんにも喜んでもらえるのではないか」と二つ返事でOKした。

垣根を越えて

兵庫県出身の鈴木さんは30年前、白ワインとバターのブールブランソースに衝撃を受け、料理人の道に。調理学校卒業後は、フランス料理にみそ、しょうゆを取り入れた先駆者、瀬田亭(兵庫県西宮市)で修業した。瀬田亭の松本店を任されるようになった後に独立し、2008年に「ラトリエスズキ」を開いた。
祖父はそば職人だったと言い、子どもの頃からそばになじみはあった。「そば屋はそばしか作らない。もっといろいろ作ったらいいのに」という思いを抱えていたという。いろいろな人とコラボをする塙さんに、「この人だったら、自分の欲求不満を解消、創造性を膨らませてくれるのではないか」と思ったという。
一方、福島県出身の塙さんは高校時代から、アルバイトしたお金でそばを食べ歩くほどそばが大好き。「手に職を付ける仕事を」と、職人だった父の教えもあり、そば打ちの道を選んだ。
23歳の時、旅行で松本へ。その時に入った焼き鳥店の店主の紹介で、松本市内のそば店で修業することに。2014年、山形村で店を開いた。「人と人をつなぐそば屋」がモットー。県内外のそば店、異業種とのコラボを続ける。懐の深さに加え、互いの人柄にもひかれているといい、そうした土壌があり、今回のコラボは生まれた。

塙さんは、地元山形村で「山形村を信州一のそばの里にしよう」という活動も始めている。地元のそば店や生産者と一緒に、共通メニューを開発し、「そばの里」を売り出していこうという狙いだ。
もっともっといろいろな料理人が交じり合ったら、楽しい料理、おいしいメニューが作れるのではないか。塙さんは「自分が動くことで、他の人の刺激になればいい」とし、美食の街を目指し、今後も活動を模索する。
午後7時。5000円。飲み物代は別途。定員10人(先着順)。予約、問い合わせはラトリエ・スズキ 電話 0263・34・3999
(八代けい子)


投稿者: mgpress