パレードで笑顔 地元からも祝福の声 御嶽海優勝再び頂点へ

大相撲秋場所(東京・両国国技館)で2度目の優勝を果たした上松町出身の関脇・御嶽海(26、出羽海部屋)。千秋楽の22日午後6時すぎには優勝力士のパレードを一目見ようと、国技館の正面入り口前にはカメラやスマホを構えた大相撲ファンで黒山の人だかりができた。
会場に入れなかった記者もその中の1人。優勝争いが三つどもえになった展開で「御嶽海が優勝しなかったらどうしよう」という不安を抱えながら待つこと約3時間。晴れて御嶽海がオープンカーに乗り、笑顔で両手を挙げる姿を撮影できほっと胸をなで下ろした。
出身地の上松町や、松本市でも多くのファンが、テレビ中継を見ながら手に汗握った。地元の祝福の声や今後への期待は、優勝から3日たった今でも熱いままだ。

当日券取れず会場外で待つ

大相撲秋場所14日目が終わった段階で、優勝候補は御嶽海、関脇・貴景勝、前頭八枚目・隠岐の海の3力士に絞られた。記者は御嶽海の優勝を信じ、雄姿を目に焼き付けようと、午前7時45分に発売される当日券を手に入れるため、前日に東京に向かった。
22日、「余裕を持って」午前5時に起床し、両国国技館に到着すると、既にチケットを求める人たちの行列が、国技館の周囲を取り囲んでいた。まさに、血の気が引く思い―。慌てて、行列の最後尾に並び、係の人に「この順番でチケットが取れる可能性はあるか」と尋ねると、「ほぼ無理です」。
青ざめながら、何人もの係員に、あらゆることを確認。その結果、行列には約550人いてチケットは不可能だが、会場外での優勝パレードの撮影はできそうなことが分かった。ちなみに、行列の先頭の男性にいつから並んでいるかを聞くと「きのう(21日)の取組が終わってから」。
幕内前半の取組が始まって間もない午後4時ごろ。国技館の正面入り口前に到着すると、記者と同じく、会場に入れずパレードを見るために場所取りをしていると思われる人たちが数人いた。
相撲好きの子どもを伴った家族もいて「御嶽海が優勝しなかったら帰る」という声も聞かれれば「貴景勝が ― 」という声も。集まった人たちは優勝の行方をスマホで確認しながら、貴景勝が勝って「おー」、御嶽海が勝って「おー」。優勝決定戦を御嶽海が制したことが分かると、さらに大きな「おー」の歓声が上がった。

PVで応援喜びを爆発

そのころ、上松町の町公民館では、地元の総合型地域スポーツクラブ「木曽ひのきっ子ゆうゆうクラブ」がパブリックビューイング(PV)を開き、70人ほどが詰め掛けていた。御嶽海を応援する「信濃の国」の替え歌を歌い、御嶽海が現れると「御嶽海」コールが沸き起こるなど、会場のボルテージはぐんぐん上昇。
遠藤に何もさせず寄り切り、優勝決定戦も制すると、喜びを爆発させた。
上松小6年の草間優心君(12)は「優勝すると信じていた。来場所も優勝してほしい」と笑顔。野田光雄さん(72、上松町)は「同じ相手(貴景勝)に2度負けなかったのはたいしたもの。勝ちへの執念と意地を感じた」とたたえた。
丸山晃男さん(34、同町)は「来場所も『らしさ』を貫き、見る人に勇気・元気を与えてほしい」と期待を寄せた。

多くのファンで満席になった居酒屋「ドラゴン大飯店」(松本市中央1)。優勝が決まると、知らない客同士もハイタッチをするなど、興奮冷めやらぬ状態だった。
御嶽海後援会会員で、仲間内で“後援会長”と呼ばれる山口爵さん(80、同市中条)は「最高にうれしい。立ち合いが良かった。一瞬の集中力が素晴らしい」、毎場所同店を夫婦で訪れる内山孝幸さん(60、朝日村)は「昨日の豪栄道戦を見て、まともにあたっていないのが心配だったが、今日はよくやった」。優勝を祝い、この日の飲食代を30%引きにした同店の永瀬篤専務(44)は「ますます強くなった。貴景勝に傾いていた流れをよく取り戻した」など喜びの声が聞かれた。

午後6時45分ごろ、紋付きはかま姿の御嶽海が正面入り口に姿を現すと、「みーたん、おめでとう」とおなじみの黄色い祝福の声。その中をオープンカーに乗った御嶽海は「風格」を感じさせる笑顔を見せながら、決戦の地を後にした。信州期待の星、御嶽海は相撲人気の中心にいることを実感した。

(浜秋彦、長岩将弘、嶋田夕子)


投稿者: mgpress